黒星団-ブラックスターズ-Part10/盗人猛々しき
[8/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かくなる上は、生まれ変わっても後悔するほどの罰を貴様の身に刻み込んでくれる!』
発せられたのは、いかにも正義感と忠誠心溢れる騎士の声であった。バロムにいいように利用された義憤を露わにするその声の主の放つプレッシャーに、バロムはたじろぐ。すると、バロムの足元の床が円を描く形で青白く光る。
『侵入者を排除、強制転送!』
瞬間、バロムの姿は一瞬にして消え去った。同時に、外を映すジャンボットのモニターにて、ジャンボットの足元で『バロォ!?』と悲鳴と共に尻餅を着きながら落ちたバロムの姿が映されていた。一方で、彼が持っていたデルフリンガーや、彼がこれまで盗み続けていたアイテムの山はそのまま船内に残されていた。
「今のは?」
『侵入者排除および緊急脱出用の強制転移機能を使った。万が一に備えて私の設計者が組み込んでいた』
バロムが船外へ追い出された様を見てゼロの困惑したような声に、声の主はそう答えると、今度はアンリエッタに話しかけてきた。
『姫様、申し訳ありません。このジャンボット、システム修復と維持のため、長期間の休眠状態を継続しておりましたが、かえってそれがあのような輩の侵入を許すことになろうとは…あまつさえ現代の主君たるあなた様を襲うと言う不義…万死に値します!』
「もしやこの声…ジャンバード…いえジャンボット、あなた自身なのですか?」
「うそぉん!?」
ゼロは、声の主の言葉から一つの推測を立ててそう尋ねたアンリエッタの言葉に驚いた。まさか、人間と同じ知性を、それもこれほど強い感情を持つロボットがいるとは。
「いやなに驚いてんだよ相棒。俺みてぇな喋る剣がいるんだぜ。ましてや想像もつかねぇ技術で作られたゴーレムんだ。自我があってもおかしかねぇだろ」
すると、バロムが追い出された際に床に取り落とされたデルフリンガーが、ゼロに向けて突っ込むように指摘する。
「あぁ、言われてみれば確かに…って、ちょっと待て。相棒ってなんだよ」
ジャンボットについて一応の納得はしたものの、デルフがいかにも以前からの知り合いのような距離感に、ゼロがそう言い返す。
そうだ、こいつとは今日会ったばかりだ。でも、デルフを拾い上げてその刀身を見上げてみると、不思議なことに…妙にしっくりくるのだ。長年使い続けてきた、まさにこの剣自身が言った通りの相棒と言えるくらいに。
「酷いわ相棒!さっきあたしの名前を言い当ててたのに!あたしのことは遊びだったのね!」
「だあああ!そのベラんメェ口調の野郎みたいな声でオネェみたいに言うな!キモいんだよ!」
『おい君たち、くだらない事で言い争ってる場合ではないぞ!こうしてる間にも、バロッサ星人は次の手を講じてるやもしれないのだぞ!』
急にふざけ出したデルフと、鳥肌を立たせるゼロに対し、ジャンボットからきついお叱りの言葉が飛び、怒鳴られた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ