黒星団-ブラックスターズ-Part10/盗人猛々しき
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スは、少し離れた位置で重い一撃で設けたのか苦し気にうずくまっている。
「まずい!」
ここは一度、船外に出てテファたちを助けに行かなければ。ゼロは脱出のためのテレポーテーションの構えをとる。
その後ろで……風になびくカーテンのように、ゆらりと空間が揺れた。
そしてその中から…
「バアアァァロバロバロバロッササアアア!!」
「っ!し、しま…グアアアァァ!!」
突如としてバロムが姿を現し、振りかざしたデルフリンガーの一撃でゼロの体を斬り飛ばしてしまった。
斬られた反動で壁に背中を叩きつけるゼロ。その時、ゼロのカラータイマーがピコン、ピコンと赤く点滅をし始める。
「バロバロバロ!これで俺様の勝ちは決まったな。さあて、戦利品としててめえの頭についてるそれを頂こうか。
なんならそれを外して俺様に許しを請えよ。『あなた様にこれを差し上げますのでどうかお許しくださいバロム様』ってよぉ」
バロムはデルフリンガーの剣先を、ゼロの頭に付いているゼロスラッガーに向ける。今度はゼロスラッガーすらも頂こうと言うのか。
(まだか…)
先に行かせたアンリエッタは今頃ジャンボットのコントロールを奪い返そうと躍起になっているはずだが、バロムと戦い始めてから一向にその気すら見られない。これ以上は、もうジャンボットを破壊する前提で向かわなければやられてしまう。バロムがゼロスラッガーに向けて手を伸ばすと、ゼロは即座にその手を叩き、跳ね起きると同時にバロムの顔に今度は蹴りを入れた。
「バロぉ!?っぐ…悪あがきを…」
「悪足掻き?っは!勘違いすんな。これくらいでへこたれるほどこのウルトラマンゼロは貧弱じゃねぇ。ましてや俺は…てめえみたいな野郎に、下げたくもねぇ頭を下げる気はねぇんだよ!」
「…!」
諦めないという確固たる意志を露わにするゼロの言動にデルフは何かを感じ取った。
その時であった。
突如、ガコン!と大きな物音と共に、ジャンボットの船内の揺れが、時が止まったかのように収まった。
「ば、バロ!?」
『システム、再起動。全アクセス権をマスターへ復帰します』
動揺するバロムが船内を見渡すと、内部にアナウンスが流れ、操縦室を含めた内部の照明が一瞬だけ消え、そして再び点灯する。
「な、なんだ今のは?まさか…」
「サイトさん!」
そのまさかだと言わんばかりに、ジャンボットの船内の奥へと姿を消していたアンリエッタが、再びサイトの前に現れた。
「ジャンボットの機能を奪還しましたわ!」
「会長!」「なにぃ!?」
間に合ったかと安どと喜びを同時に味わうゼロと、逆にしくじったことで慌てるバロム。そんな彼らの耳に、新たな男性の声が船内中に響き渡った。
『おのれ!このような下劣な盗賊風情に、偉大なブルミル様の血を引く姫様に刃を向けるとは、我ながら万死に値する愚行!
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