黒星団-ブラックスターズ-Part10/盗人猛々しき
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に刃を押し込めるように詰め寄る。バロムはゼロの攻撃をデルフリンガーで防ぐもそのまま壁の方へ背中を押しつけられる。
鍔迫り合いに持ち込み、バロムの動きを封じれた。今ならアンリエッタも動ける。
「会長!今のうちに!」
「ええ!」
ゼロに言われて、アンリエッタは操縦室より船内廊下の方へと飛び出していく。
「ええい、行かせるか!」
「行かせるんだよ!」
「ぐぬぉ!?」
バロムがゼロを押し返そうとしたところで、ゼロはバロムの腹に蹴りを叩き入れる。この怯んだ間にアンリエッタはジャンボットの船内の奥へと進みきっていた。
それでもアンリエッタを追ってジャンボットの奪還を阻止しようとバロムはゼロを真っ二つにせんとデルフを振り回し続ける。
戦いの余波で、壁中に刀傷が刻み込まれていく。
「セヤ!」
ゼロスラッガーの一太刀をバロムは間一髪避けるも、その際山のように積み上がった彼のお宝の一部が真っ二つになってしまう。
「あ…」
「あ゛ああああああああ!俺が苦労して手に入れたお宝が!宇宙の帝王『ジュダ』の『バットキャリバー』がああああ!しかも滅亡した獅子座L77星産出のウルトニウム石までええええええ!!」
その内の、年季の入った剣と、ピンク色の艶やかな輝きを放つ石が粉々になったのを見てバロムは甲高い悲鳴をあげた。意図せずとはいえ盗まれたものを壊してしまい、ゼロは一瞬呆ける。
よほどショックだったようで、バロムは変わり果てたそのお宝を抱き抱えてゼロを睨んだ。
「なんてことしやがるんだこの野郎!勝つために手段を選ばないとか、それでも正義の味方かぁ!」
「テメェが説教たれてんじゃねぇ!」
「ふぐ!?」
指摘に対して漫才のツッコミの如くゼロはバロムの顔を殴り飛ばした。
壁に激突し、殴られた頬を反射的に触れる。彼の頬はその時、酷く腫れ上がっていた。
「ば、バロォ…親にも殴られたことないのに、よくもこの俺様の顔にぃ…」
「だからどうしたってんだよ。そもそも恨みを買いまくったくせに殴られもしないこと自体が変だろうが。それにせっかく集めたコレクションだって、たくさん集めすぎたせいで、埃被るまで放置したもんが山ほどある癖によぉ」
「うるせぇぞこのボロ剣!」
顔を押さえながら立ち上がると、デルフによって余計なカミングアウトをされたバロムはますます苛立った。苦労して手に入れた割に口の減らない武器なものだと、手に入れたことをちょっと後悔した。
「っええい、ジャンボットは何をやっている!適当にでも暴れて、こいつらを追い払え!」
バロムは痺れを切らしてジャンボットに命令する。すると、それに応じたのかジャンボットの船内が地震でも起きたかのように大きく揺れ動き始めた。
「おぉわ!?」
「うお!」
流石のゼロもこれでは立つこともままならずバランスを崩してしまう
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