黒星団-ブラックスターズ-Part10/盗人猛々しき
[13/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
だかんだブラックたちに付き合わされている、ちょっと不幸な少女。でもそれでもブラックたちとの付き合いを続けている。頼まれると断れない性格もあるが、口では侵略だのと言いつつも、これまでブラックスターズがやってきたことといえば、無銭飲食や都庁のお惣菜暴食とか、侵略という悪行から程遠いただのイタズラ。しかも普段は借りてるアパートの家賃の踏み倒しが茶飯事の、侵略者というより地味にずる賢いストリートギャングというべきグループだから、今もこうして交流している。
本当なら試験勉強のためしばらくブラックたちとの接触を控えていたのだが、ブラックたちの危機ということで至急この場へかけつけたのである。
「テメェはあの時の間抜け女!」
ブラックの顔を見た途端、バロムがつい口に出す。
「誰が間抜けだ!このコソ泥め!」
「人のこと言えねぇだろ!ジャンボット盗もうとしてた時点で!しかもリア充撲滅のためとか随分しょうもねぇな!」
「ふ、ふん!所詮貴様のようなコソ泥ごときに我らブラックスターズの崇高な野望を理解できまい!」
「理解したくもねぇよ。…ふん、まぁいい。それよりなぜ俺の居場所がわかった!」
ついうっかり真面目にツッコミも入れてしまったが、今はこいつと、相いれない価値観を語り合っている場合ではない。バロムはまず、なぜサータンのマントを着て透明化していたはずだ自分を、彼女たちが見つけることができたのか聞けるだけ聞くことにした。
「偉大なるマスターのお告げだ。貴様がジャンボットで暴れている間、我らは瓦礫の雨を掻い潜り、サツキ君が作り出したダークゾーンに逃げ込むことでことなきを得た」
「なるほど、そのガキ…ペガッサ星人か」
得げに語るブラックに傍にいるサツキを見て、バロムは彼女の正体を見定めた。その視線を浴びて、サツキが弱気な性格故か少したじろぐ。
聞いたことがある。かつて宇宙を飛び回る自律移動宇宙都市…『ペガッサシティ』。そこに住まう星人が放浪宇宙人『ペガッサ星人』。しかし確か、ペガッサシティはシステムの故障で地球と激突しようとした結果、地球防衛軍の手で爆破されたと聞いているが、まさか生き残りがいたということだろうか。
「ダークゾーンに逃げ込んだ我々だが、その際瓦礫の一部も同時にダークゾーン内に入り込み、その一部が私の頭を直撃し気絶していた」
「…なるほど、通りで気取ってる割にみっともねぇたんこぶができてるわけだ」
「ほっとけ!」
ジィッとブラックを見るバロム。よくよく落ち着いてみると、彼のいうとおりブラックの後頭部にそれはもう真っ赤にぷくっと膨れ上がったたんこぶが出来上がっていた。悪の星人としても女性としても少々情けない姿である…。
「面白い姿だよねぇ。ってことでSNSにアップしとこ」
「やめろシルバーブルーメ!これ以上私を笑い者にするな!」
「どう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ