黒星団-ブラックスターズ-Part10/盗人猛々しき
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たのだろう。
「よし、すぐに私のサーチ能力で探ってみよう」
ジャンボットはすぐに周囲を見渡し始めた。彼には、周囲の生体反応を探知する機能が備わっているのだ。しかし…次にジャンボットから漏れたのは悔しげな言葉だった。
「っく、おのれ…私のセンサーにも反応がない。その透明マント、纏ったものの熱反応や電波、位置情報や生体反応の一切合切を外部に悟らせないほどのものらしい」
「くそ、ジャンボットでも見つけられないんじゃ、透視しても見つかりそうにないな。周囲をくまなく探すしかないか」
とことん厄介なバロムに歯噛みしつつも、ゼロたちはバロムを躍起になって探すのだった。
ゼロたちがそれに気づいていた頃、既にバロムはゼロたちと戦っていた場所から離れた、それも元の等身大サイズに縮んだ上で透明マントを被って逃走を図っていた。
「ふぅ、サータンのマントだけは常に懐に忍ばせておいたのが功を期したな」
盗んだ宝の山はジャンボット内に詰め込んでいる。惜しいがこんなところでみすみす捕まったり奴らにめった打ちにされては元も子もない。ならば逃げるしかない。
ゼロたちは未だ自分を探して周囲を見渡している。体が小さい分逃げ足も遅くなってしまうが、同時に奴らにも気取られにくい。あいつらが血眼になって周りを探している間に退散しよう。
すると、そんなバロムにすかさず、
「〈ジェリースプラッシュ〉!」
「くらえ!」
酸性の粘液と赤い触手がバロムに向けて放たれる。
野生の感でも働いたのだろうか。バロムは一瞬早くそれらを避ける。だが続けて放たれたそれを避けられず、ついに彼を包むサータンのマントに思い切り降りかかり、マントは未算にもじゅうううっと音を立てながら溶けてしまい、マントに隠れていたバロムの姿が露わとなる。
「しまった!サータンのマントが!」
攻撃ができた方を見ると、やはりかと舌打ちする。今の不意打ちの相手は、思った通りブラックスターズであった。
「さっきはよくもやってくれたなバロッサ星人!だが我らブラックスターズ、このまま舐められたままでは終わらん。倍にして返してやろう!」
先ほどの三人だけではない。もう一人大人しそうな、サイトたりより少しだけ幼い少女もいる。
「ブラックさん、どうしてもやり返すんですか?向こうにいる巨人さんたちに任せた方がいいと思うんですけど…」
「何をいうのだサツキ君!我らブラックスターズはいずれこの星を支配する者、このようなコソ泥に舐められたままでは面目が立たないではないか!」
「面目って…」
そもそもそんなものが自分たちにあるのだろうかとでも言いたげな、『サツキ』という少女。
彼女こそ、このブラックスターズの四人目の新参者であった。
とはいえ実際のところ彼女はブラックスターズに半ば強引に迎え入れられ、今日この日までなん
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