黒星団-ブラックスターズ-Part10/盗人猛々しき
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された上で設計されたと考えられるな。このまま正面突破を試みてもじり貧だ」
ネクサスは、このまま力づくで向かっても意味はないと、冷静さを維持しつつ分析、次なる手を講じる。
「内部から侵入して直接稼働を停止するよう命令するしかないな。平賀、とにかく奴の動きを止めるぞ。止めたら俺が奴を取り押さえる。その間にお前が奴の中に飛び込め」
「できるのか?」
「やってみなければ、あのふざけたコソ泥にいいようにされるだけだ」
「それは絶対嫌だな。わかった、やってやろうぜ!」
気合いを入れ直し、ジャンボットの次の動きに備えて構え直すゼロとネクサス。ジャンボットのボディの各部よりいくつもの砲口が露出、そこから無数のミサイルが飛び交い、二人に襲いかかった。
まるで人類の大戦の戦場で、ミサイルや銃弾の嵐を掻い潜る兵士のように、二人は死に物狂いで接近を試みる。
ジャンボットは二人を寄せ付けまいと連射を続ける。実際に数発、ゼロたちにジャンボットの連射攻撃は当たっていたのだが、二人は多少怯むことこそあれどすぐに気力で持ち直し、接近を続けながらも逆にジャンボットへ反撃の光線技を繰り出した。
〈エメリウムスラッシュ!〉
〈クロスレイ?シュトローム〉
「ダァ!」
ミサイル等を撃っていたジャンボットは避けられず、ボディに火花を散らしながら怯んだ。それでもボディに決定的な傷はないが、今の二人にとっては怯むだけでもちょうどよかった。
今だ!
ネクサスは〈セービングビュート〉を伸ばし、ジャンボットの首を縛り付けると、力強く腕を引っ込めてジャンボットを強引に引き寄せ、脇下にジャンボットの頭を挟み込んで取り押さえた。
「平賀!」
「あぁ!」
ネクサスの呼びかけに頷いたゼロが後ろを振り返ると、そこで待っていたアンリエッタが目に入る。彼の視線に、いつでも構わないと伝える意図で頷いたアンリエッタを手の中に包み、ゼロは光の玉となって、ジャンボットの目からその内部へと侵入した。
内部に侵入したゼロとアンリエッタを、予想通りバロッサ星人バロムが待ち構えていた。
「くそ、ネズミ風情がこの俺の船に入り込みやがって!」
「盗人猛々しいとはこのことですわね。この船はあなたのような下劣な盗賊風情が触れて良いものではありません。恥を知りなさい!」
自分の実家の家宝を奪い取った分際で、本来の管理者をネズミ呼ばわり。アンリエッタは憤りを露わにする。
「恥?はん、略奪は我らバロッサ星人の流儀にして誇りであり、そして生きがいにして掟なんだよ!貴様ら下等生物共の物差しで我らを測るな!」
だが盗みそのものを生業としたバロムには、盗まれた側の都合も気持ちも価値のないものであり、自分の一族の生き方こそが正義であった。
「そんなだから、お前らバロッサ星人は全宇宙からのつま弾き者のままな
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