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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
お兄様としてのプライドを徹底的に破壊する話《前編》
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る。
「ご主人様に対して、そいつァあまりにも無礼じゃねぇのかい?」
「…ごめんなさい…。でもそれには理由があって…」
「ホー、マゾ犬がご主人様に言い訳垂れんのかい?随分と偉くなったもんサ。」
「ち、ちが…」
「まぁいい。理由は分かってるからヨ。」
そう言って、おれはマイの足元にあるものを投げる。
ぺっと用の紐、犬耳の頭飾り、しっぽ付きのあなるぷらぐ。
いつものお散歩せっとだ。
「……。」
「さっさと付けろ、お散歩の時間サァ?」
そういうと、マイはすぐさま犬になろうとする。
早いのは普段からの躾の賜物だろう。
そうしてマイは、
「わ、わん…。」
犬になる。いや、戻る。
お上品な人間のフリなんかやめた、マイの本来の姿。
「おおよしよし。じゃあ散歩に行こうか。今日は特別なお散歩サ。楽しみにしといてくれよナ?」
近寄ってきて脚にすりすりと顔を擦り付けるので、優しく撫でてやる。
咥えている紐をもらい、マイを引き連れいざ外へ。
やや冷たい空気が頬を撫でる。少し肌寒い気もするが、心地よかった。
隣のマイは全身を風にくすぐられ、寒いのか少し身震いした
「あ、北斎さーん!!」
「おう、待ってたかい。」
ちょうどそこへあびいがやってくる。
「今日は私達≠烽ィ散歩に連れてってくださるのね!」
「おうとも。そのうちお前さんだけでも行けるよう、道を教えてやろうかと思ってナァ。」
「うふふ、楽しみ!」
と、楽しげに話すあびい。
しかし、マイは固まっている。
理由は分かってる。
「お、あびいも犬を飼い始めたのかい?」
ここでおれはわざとらしく聞く。
お散歩に行くんだ。あびいだって犬を連れてる。
あびいの持つ紐。
そこに繋がれてるのは
「あ!紹介が遅れてごめんなさい!この子はね、ゴッホちゃん≠チて言うの!」
「わ、わん…。」
と、あびいの連れた飼い犬、
裸に首輪。犬の頭飾りにあなるぷらぐと、
マイと同じように犬になりきったごっほ殿がそこにいた。
「ゴッホちゃん!?」
と、マゾ犬が四つん這いをやめ、ごっほ殿に近付こうとする。
「ぐゅ」
すぐさま紐を引っ張り、止めさせる。
「お、お栄ちゃ」
「なぁに二本足で歩こうとしてんだい?え?」
「でも僕こんなの聞いてない!」
「さぷらいずだヨ。兄妹揃って仲良くお散歩。楽しいだろ?」
「…。」
マイは顔を伏せる。
そしてあろうことか
「そ、その…。」
「?」
「せめて…何か隠せるものとか…。」
恥じらい≠見せた。
「…どうしてだい?」
「は、恥ずかしいから…。」
「こいつぁ吃驚だ。恥じらいなんざとっくに捨てたと思
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