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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
お兄様としてのプライドを徹底的に破壊する話《前編》
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「……。」
「な、なに?お栄ちゃん…?」
週に一度の葵殿との打ち合わせから戻り、帰ってきた時のことだ。
今日は待ちに待った犬の日。
しかし帰ってみれば待っていたのは服を着て料理を作っていたマイの姿だった。
「……。」
「どうしたの…そんなキョトンとして…。」
「え、あ、いや悪い。少し驚いてナ。」
別に料理を作るなって話じゃない。
ただ…
「今日は…犬の日≠カゃねぇのかい?」
どうして人間のままでいるんだと驚いた。
いつもならおれが帰ってくるなり犬の真似して出迎えてたってのに。
しょっくのあまり、土産物が入った紙袋を落としてしまった。
そしてマイの答えは
「あ、あのさ…。」
「うん?」
「それは…また今度にしない?」
「……。」
拒否。
あれだけ悦んでやっていたのに、拒否。
一体お前さんに何があった?
まさか今更マトモな人間に戻ろうなんて考えちゃいねぇだろうナ?
そう、考えた時だった。
「お帰りなさいませ、ホクサイ様。」
居間から顔を覗かせたのは、ごっほ殿。
「あ、ゴッホちゃん、机拭いといてくれた?」
「大丈夫です。お皿も並べておきました。楊貴妃様とアビーちゃんも呼んでます。」
「そっか。ありがと。」
マイをお兄様≠ニ慕い、本人もまた妹のように後をついていくごっほ殿。
……
………ああ、そうか。
納得いった。
「……。」
「ホクサイ様…?」
「ン?」
「いえ…何か不敵な笑みを浮かべてたので…。」
ああいけねぇ。
つい顔に出ちまった。
「今宵はお兄様をどうするのだろうと思いまして…よ、よければその企みにゴッホも混ぜていただきたく…あ、勿論お兄様と一緒にいじめられる方です。ふ、ふふ…えへへ。」
「へぇ…そうかい。」
かがみ、ごっほ殿の視線に合わせる。
「じゃあ、混ぜてやる。いや、今夜はお前さんが必要なのサ。どうしても、ナ。」
ポン、と肩を叩いて居間へと向かった。
?
いつの間にか賑やかになった楽しい夕食を終え、夜が更けた頃…。
「あの…お栄ちゃん…。」
目の前には、全裸のマイ。
夜、いつものように魔力供給と洒落込むために脱げと命令し、そのまま立たせている。
「な、何か言ってよ…」
「飼い主のおれに、マゾ犬風情が命令すんのかい?」
「ち、違…。」
「そういや夕刻もそうだったナァ?ご主人様に対して、今日はお散歩したくないですってハッキリと拒否したよナァ?」
「そ、それは…」
身体をくねらせもじもじしながら、言葉が詰まるマイ。
怯えてはいるものの、下半身は正直らしい。
これから何をされるのか期待して、ギンッギンにおっ勃ててやが
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