お前とは違う
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の指輪をホルスターから外す。
今度こそグレムリンにトドメを刺す。
だが、それを指輪に通す前に、グレムリンは肩を窄めた。
「今回は僕の負けだね。まあ、もう少しヤマタノオロチの力を制御できたら、もうちょっと強くなれると思うよ」
「逃がすか……!」
ウィザードは全身に風の力を纏わせる。
「いい翼だね。本当にドラゴンじゃないか。ねえ?」
「お喋りはもう終わりだ」
ウィザードは猛スピードでグレムリンと接敵。
だが、グレムリンは体を捻ってそれを回避。本来の姿のグレムリンの速度は、今のウィザードよりも速度が上。その独特の素早さであっという間に屋根の上に昇ってしまう。
「続きはまたにしようよ。次は僕が……賢者の石を手に入れた時に」
「賢者の石……?」
ウィザードは右腕を抑えながら起き上がる。
「何だそれ……?」
「君には関係のないこと……じゃないのかな?」
グレムリンはそう言いながら、その姿をソラに戻していく。帽子を頭に被り直しながらほほ笑み、冷たく見下ろす。
「人間になることを諦めた君にはね」
「……!」
「ふふ……!」
ソラは口元を手で抑える。
「じゃあ一つだけ教えてあげようかな? 折角僕に勝ったんだし」
「? 何を……?」
「賢者の石は、鉄を金に変え、生死さえもひっくり返す究極の魔法石」
「……どういう意味だ?」
「分からないのかい? これさえあれば、死体だって動くし……」
その時。
ソラの口元が、大きく吊り上がる。彼の目に、希望の光が___人間が目に宿すような光が灯った。
「ファントムに使えば、人間にだってなれるんだよ!」
「!」
「人間に……なれる? ハルトさんが……!?」
ハルト以上に、隣の可奈美が目を大きく見開いていた。
「それ、本当なの? ハルトさんが……人間に?」
「そうだよ。僕は徹底的に調べたんだ。そして見つけたんだよ。賢者の石が、この見滝原にあるってことを」
「どうやって……いや、それより、どこにそんなものが……?」
ハルトの疑問。
だが、ソラの笑みは止まらない。
「どこに、だって? イヤだなあハルト君。君は……いや、君たちはずっと、賢者の石の力で戦っているじゃないか」
「ずっと? 一体なにを……」
「待ってハルトさん。もしかして……賢者の石って……」
察しがついたのか、可奈美がその先を引き継ぐ。
可奈美に大きく頷いたソラは、手を広げた。
「そう! お察しの通りさ! 賢者の石は……聖杯そのもの! 聖杯戦争そのものが、魔力を込められた特別な賢者の石の奪い合いなのさ!」
聖杯そのもの。
その言葉を聞いた途端、嫌がおうにも、先日対峙した泥で作られたような聖杯がフ
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