お前とは違う
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ヤマタノオロチの力を得た代償として、グレムリンはその自慢の素早さを手放しているようだった。
『『ハリケーン スラッシュストライク』』
ウィザードは二本のウィザーソードガンにエメラルドの指輪を読み込ませる。
すると、ウィザーソードガンそれぞれの刃に緑の風が宿っていく。
放たれた二つの刃は弧を描き、吠えるドラゴンの頭部の形でヤマタノオロチに食らいつく。斬撃が被弾したところから翡翠の風が一気に広がり、ヤマタノオロチの皮膚に切れ込みを入れていく。
「えりかちゃん! 私達も、まだ戦えるよね!」
「はい!」
可奈美の掛け声に、えりかは手を振る。
すると、彼女の盾が回転する。彼女のセラフが小さな竜巻を引き起こし、ヤマタノオロチから抵抗する力を奪う。
「だったら……」
「迅位斬!」
だがグレムリンの妨害は、紅の斬撃によって動きを鈍らせる。
動きが鈍くなったグレムリン本体の全身より火花が散り、やがて可奈美の攻撃を防御することで手一杯になっていく。
「今だ……!」
『チョーイイネ サンダー サイコー』
発動される雷の魔法。
それは、これまで使われてきた雷とは比べものにならないほどの高出力を誇り、雷光が見滝原の夜を彩る。
ヤマタノオロチの頭上に飛び上がったウィザードは、右手を高く突き上げる。
すると、ヤマタノオロチを包みこんでいた竜巻は、ウィザードからの魔力供給を受け、より大きな風の柱になっていく。
そして、ウィザードの手の先に現れる緑の魔法陣。それは同じくドラゴンの形をした緑の雷を生成し、ヤマタノオロチへ打ち付けられていく。
竜巻は徐々に細くなり、捕らわれた蛇たちもだんだんと風の柱に閉じ込められていく。そして、頭上から降り注ぐ、強大な緑の雷が、蛇たちの体を焼き焦がす。衝撃により竜巻の外に出たとしても、雷がその体を掴まえ、竜巻の中に引き戻す。
そして、何度も何度も、雷が蛇とグレムリン本体へ叩きつけられていく。
やがて、グレムリンから伸びる大きな蛇たちは、大爆発を引き起こしていった。
「そんなっ……!」
粉々に砕けていく蛇たちへ、グレムリンは目を見張る。
蛇たちはやがて、全て焼き焦げた姿となって落ちていく。それに伴い、グレムリン自身も雷を浴び、蛇たちに続いて爆発に飲み込まれる。
「があああああああああああああああっ!?」
響くグレムリンの悲鳴。
ウィザードが着地すると同時に、グレムリンは通常の姿になり、地面に投げ落とされた。
「痛つつ……これが、ファントムと魔法使いの力を融合させた力ってところかな?君、元々ファントムの力を使っていれば、もっと強かったんじゃないの?」
「……かもね」
ウィザードはそう言いながら、キックストライク
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