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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第16話
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オは容赦無くハドラーとガンガディアを無理矢理カップリングする事だろう。
想像しただけで体が震えるハドラーちゃん。
(うおーーーーー!何を考えているのだ俺はぁーーーーー!)
「そうなの、たとえイケメンと縁があっても私とじゃ意味が無いの。王子様の隣には王子様。彼らには関わらず、そばでのぞき見するのが私の幸せ。私のポジション……」
だが、そこでクレオがまた残念そうに俯いた。
「……そう……思ってたの……あの日までは……」
そうて……クレオはぶくぶくの師匠の家と自分の部屋を行き来出来る黒い渦を手に入れ、次々とチート級のスキルやアイテムを入手し、大魔境に巣食う強大な魔物達を討伐し、貧弱だったステータスは凄まじいレベルアップを遂げた影響により、肥満体の腐女子だったクレオが痩せて別人のような美少女に変貌してしまい、男同士が仲良くしているのを見て妄想するのが大好きだったクレオは、望んでいなかった「乙女ゲーム」的モテ期(逆ハーレム)到来に苦しんでいたのだ。
とここで、ガンガディアが珍しく吠えた。
「いい加減にしろよぉおお!」
これには吠えられる覚えが無い筈のハドラーちゃんも驚いた。
「キャラ崩壊ぃーーーーー!?」
それもその筈。
ガンガディアはトロル系モンスターに貼られた『樽の様な身体で涎を垂らしながら、原始的な武器を振り回して暴力を振るう事しか能が無い』と言うレッテルに抗うべく、常に自分を鍛え直し続けて理知的な存在を保ち続けてきたのだ。
そんなガンガディアが理性をかなぐり捨てて吠えたのだ。ガンガディアをよく知る者が驚くのも無理は無い。

興奮し過ぎたクレオとフレイザード2号とガンガディアを、どうにか宥めて落ち着かせたハドラーちゃん達。
「申し訳ありません。フレイザードの百合萌えの女性の同性愛(レズビアン)が更に悪化すると思うと……恥ずかしながら恐怖に屈してしまいました」
ガンガディアの気持ちが解るバルトス。
「まさか、平行世界の勇者が、女性でありながら衆道萌えの腐女子(ホモセクシュアル)とは、誰が予想出来ましょうか?」
対して、異元扉は誤魔化す。
「いやぁー、平行世界は広いでぇー」
「広過ぎるよ!」
一方、ハドラーちゃんは自分の性格を疑った。
クレオは異元扉を手に入れるまでは何も接点が無いので全く関係無いが、フレイザード2号はハドラーちゃんが禁呪法を使って作った禁呪法生命体の筈である。
禁呪法生命体は諄い様だが、術者の精神が反映された意思を持つ。1周目の時に作った術者の性格の表に出ていない部分が反映される場合もたまにあるものの、ここまで術者との違いが多い禁呪法生命体は珍しいのだ。
だから、禁呪法を使ってフレイザード2号を作ったハドラーちゃんが自分の性格を疑うのは自然な流れなのだ。
が、ハドラーちゃんには時間が無い。

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