第73話「シスの暗黒卿」前半
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ある日の4号》
今日は、ギルド長とアフタヌーンティーだ。
何分と久しぶりだ。
待ち遠しいものだ。楽しみで仕方ない。
「姉さんの仇!」
そんな時にだ。
メイドが私の、ライトセーバーを奪い、深紅の光刃を現界させるとその切っ先を向けてきた。
しまった。私としたことが。
{IMG201257}
全く、生意気な娘だ。
なぜ歯向かってくるのだ。メイドにまでしてやった、恩を忘れたのか。この私が、貴様を有効活用してやっているというのに…。
「奴は殺人鬼だった。強盗の際に罪なき人間を一方的に殺した、唾棄すべき犯罪者。君はそんな愚かな女を、まだ姉だと慕うのか?」
「姉さんは確かに罪を犯したけど、私にはたった1人の肉親だった!」
そうだったな。
両親が他界した後、幼かった貴様はよく姉と過ごしていたな。姉は貴様の為に、いつも仕事を頑張っていた。
しかしその姉は、殺人鬼となった。妹である貴様には内緒にし、家に侵入しては金品を奪った。目撃者は殺害し、一切の証拠を残さなかった。
妹に秘密としているのは、スリルを味わう為。
隠し事と金品の強奪、そして殺害。
「社会のゴミじゃないか。死んで当然。刑務所で死ぬしかない姉を、メイドにしてやったんだ。感謝くらいして貰いたいものだ」
その姉は無礼を働いた為、私の手で死刑執行した。死にたくないと懇願する顔、見物(みもの)だったな。
「…ッ!」
そろそろ頃合いか、この娘は。
何、殺しはしない。ただ、少しの間だけ眠ってもらうだけだ。
「…ッ!?」
フォースでライトセーバーを取り返すと共に、収納する。
「眠れ」
隠していたホルスターからブラスター・ピストルを取り出し、スタンモードにし銃口を向ける。娘は隠し持っていたナイフを両手で構え突進してくるが、私が怪我することは無い。
放たれた青色の光弾は命中すると、娘は倒れ込んだ。
BXコマンドーが膝をつき、確認する。眠りに入っていると、報告してきた。
「記憶を改ざんしろ」
娘をお姫様抱っこし、その場を後にするBXコマンドー。
その後ろ姿を見つめながら、私は口を開く。
「今回の無礼は忘れてやる。気分が良いからな」
だから安心しろ、殺しはしない。
全てを忘れ、私に忠誠を誓うメイドとなるだけだ。
私は踵を返し、軽い足取りでギルド長―――母上のもとへと向かった。
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