第73話「シスの暗黒卿」前半
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
計で三発のブラスターを同時に反射し、一撃で仕留めてみせた。
次に彼女は瞳には見えないエネルギー―――フォースを操り、突撃してきたガトランティス兵を天井に貼り付けた。うめき声を出す天井兵士に、一瞥することなく真っ二つに切り落す。
それと共に、ガッツポーズする彼女。歩みを止めることは無い。
ブラスターを放とうとする兵士の武器を取り上げ、惨殺する。
剣を持って突撃する兵士に彼女はフォースで持ち上げ、首をへし折った。ゴキリっと音を立てたと共に、死んだその兵士を壁へ叩きつける。
これを片手で数える回数でやり、30人いた兵士達の内の20人を仕留めた。
「怯むな、撃て!」
指揮官にとって、信じられない光景だった。
今もそうだ。暗黒卿と自称する女は赤い光の刃を一閃させただけで、飛んできた全てのブラスターを”同時”に反射してみせた。8人の射撃を、だ。
体そのものを動かすことなく、手だけで完結しているのは余裕さを見せつけている。最短動作で、距離を縮めて来ている。
その兵士達の内の1人が生き残るも、漆黒の女によって首を切り落とされた。
残り、2人。
指揮官は呆然とする中、指揮官の隣にいた兵士がブラスターを撃ちまくる。
しかし、放たれたブラスターはフォースによって彼女の眼前で静止した。手の平を向けて、だ。押し返すと、多数のブラスターが兵士のあらゆる箇所に命中、そして絶命した。
残り、1人。
最後は、指揮官だ。
「…あ、あぁ」
指揮官は、手に持っていた武器を落とした。
避けられない死が、目前に迫っている。部下は全て死に絶えた。
逃げようにも、足がすくんで動くことすらできない。そう、逃げたかったが出来ない。指揮官は、戦うという選択肢を放棄したのだ。ガトランティスとして、それはあり得ないことだった。
暗黒卿と自称する彼女は、指揮官の目の前で溜息を吐き出した。
「なぜ怯える、なぜ怖がる、なぜ戦わない。逃げようともするとは、滑稽だな」
直後、指揮官の胸をライトセーバーを突き刺す。
「ガハッ!」
「痛いだろう。苦しいだろう。だが、それも終わる。この時を以って、貴様は此処で死ぬ」
歪んだ笑みを浮かべる暗黒卿は、より一層に深める。
「自分の死を嘆くな。死は、知恵の実を食した生命体に与えられる。そう、平等なのだ。貴様がこの時を以って死ぬのは、ただ時間が速まっただけに過ぎない」
最期の抵抗として、指揮官は手を伸ばす。
しかし、出来なかった。もう体は、自分の指示を受けつかないからだ。
「さようなら」
指揮官の視界が暗闇に包まれると、彼の意識は闇へと飲まれていった。
《
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ