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現実世界は理不尽に満ちている!
第71話「ガトランティスの戦の真髄を、その身に刻め」
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ランドとノルは知らない。
 〈ヤマト〉より先に、漆黒艦隊を率いる4号―――ダークネス・ブリリアンスがやって来るのを。

 邂逅の時は、刻一刻と近づいて来ている。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ―――ブリリアンス軍・漆黒艦隊旗艦〈ダークネス〉。

 〈ダークネス〉のブリッジ。
 そこでは4号―――ダークネス卿の姿があった。漆黒の装甲服に身を包む彼女は、王座にも似たキャプテン・シートに深く腰掛けていた。

 ダークネス卿と自称する美女は、憎悪が籠もった眼差しを向ける。つい先程ライトセーバーで切断した、哀れな給仕―――奴隷をだ。

 「全く、この私に不味い酒を飲ませるとは」
 
 それに飽き足らず、だ。 
 毒を混ぜていたとは。私に対し毒が効かないとはいえ、その行為―――万死に値する。

 最もそれは、既に終わった事。
 元々、死刑囚であった男だ。遅かれ早かれ、終了処分は決まっていた。

 「おい」

 ダークネス卿は、後ろで控える奴隷に声を掛ける。

 「ひッ!?」

 蒼白な顔で怯える奴隷に、ダークネス卿は告げる。

 「それを片付けておけ、視界に入れたくない」

 「は、はい!やらせていただきます!」

 同僚の奴隷と共に、死んでいる彼を片付ける。
 それを一瞥する彼女は愉しげな色を浮かべ、内心で彼女に感謝した。

 ありがとう、ギルド長スヴェート。
 社会のゴミは、有効活用させてもらっているよ。

 感謝の礼を述べたダークネス卿は、視界を展開する艦隊へ向けると命令を下す。

 「これより我が漆黒艦隊は、作戦行動に入る。全艦隊、前進せよ。殲滅の時間だ。さぁ、殲滅のメロディを奏でよう!」

 まもなく、テレザート宙域は沸騰の時を迎えようとしていた。

 
 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 《ある日のギルド長》

 最近、奴隷が欲しくて堪らないと4号が言っている。欲しい欲しい、と何度も。

 奴隷って、あれだよな。

 人間でありながら人間としての名誉・権利・自由を認められず、他人の所有物として取り扱われる存在。 所有者の全的支配に服し、労働を強制され、譲渡・売買の対象とされる。

 確か、これで合っていた筈。
 
 勘弁してくれ。
 分身体だろう。私の筈だろう。思考回路に趣味嗜好、性格がバラけるっていったい全体どういうことだ。
 
 いや、分身体なのだから当然ではあるだろう。
 しかし、た。4号よ、テメェは駄目だ。

 何故、暗黒卿とか名乗るんだ。
 何故、アルポ銀河以外の銀河を支配しろよと促すんだ。なんなら、そのままの勢いで宇宙征服を促すと来た。

 アルポ銀河以外もそうだが、宇宙征服なんぞ駄目
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