第71話「ガトランティスの戦の真髄を、その身に刻め」
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つけた。
この男の先代も、こうして「ゴーランドの後継者」の元服を手伝った。初代より「ゴーランドの後継者」を見届ける役目は、今の時代でも変わらない。
「え?」
突然の事に、侍従は手を止めた。
質問の意図に計りかねる表情を浮かべるも、それは直ぐデフォルトである無表情へと戻る。
「いえ、そのような事はありません」
ノルは瞑目した。
「そうか」
やはり、普通だ。ガトランティスとして、当然の事だ。
我々は、愛に惑わされる愚かな生命体とは違う。
そう、だから、抱いて欲しいなんていう想いなんぞ間違っているのだ。
心に纏わりつく、馬鹿で愚かな思考を振り払う。その思考は、ガトランティスとしては未熟なのだ。幼生体であるが故の迷い。例え今日、幼生体を卒業したとしても、自分が幼く未熟であるから。
次々と散髪用のケープに落ちる髪の毛のように、この場で棄てなければならない。
「完了しました」
「そうか」
散髪が終わり、サッと散髪用ケープを取り外す侍従。
その後すぐ、艦隊司令官ゴーランドと同じ―――黒基調のロングコートを着用させる。
「いってらっしゃいませ」
「ゴーランド」となる少年ノルは、艦橋へと歩を進めた。
艦橋の扉を潜り、入室するノル。
彼の気配を察知した40代後半の武闘派イケオジ男―――19代目ゴーランドは、声高らかに言い放つ。
「初陣である!」
ガトランティスの名将の一人、ゴーランドが指揮する艦隊は全てミサイル戦艦で統一されていた。
火力馬鹿の戦艦であるゴストーク級ミサイル戦艦の装備は、名前の通りミサイルを中心であるため砲塔の数は少なめだ。
この火力馬鹿ミサイル戦艦の艦首には、白色をする巨大なミサイルを引っ提げている。それだけでなく中小のミサイルにおいても、その殆どが剥き出しの状態で搭載されている。
艦首ミサイル攻撃されたらどうするだい!…という、野暮なツッコミは通じないガトランティスのミサイル戦艦。断じて、そういった事を口にしてはいけない。
つまりは、だ。
漢の浪漫仕様を追求し設計され、そして造船されたのが、このゴストーク級ミサイル戦艦なのだ。
「大帝より、勅命が下った」
その言葉にノルは身を引き締めると、ゴーランドの一?後ろで直立不動した。
「〈ヤマト〉がこの星に来る。大帝は、我らに〈ヤマト〉を殲滅せよとの御命令だ」
「〈ヤマト〉…」
メーザー提督の第八機動艦隊を無力化した、地球の戦艦か。
「ガトランティスの戦の真髄を、その身に刻め」
ノルは、より背筋を伸ばした。
「はっ!」
この時、ゴー
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