第70話「え、3号が死んだ?何故??」「よしよし、いい子だ」
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が吊り上がる。笑うな。息をするな、するとしても鼻でしろ。寸分たりとも、油断は禁物。
唾を飲み込み、両手の指で四角い額縁を作りその瞬間を絵画にする。
二枚のカードを突き合わせ三角を作りながら、そっと置く。
2号は、唾を飲み込んだ。鼓動が高鳴り、頬から伝って落ちた一筋の汗が執務机へ落下する。
「て、手を離す…」
さぁさぁ、手を離そう。そして私は、ベッドへダイブして寝るんだ。午前3:00だし。
「ど、どうだ…?」
念のため一?下がり、よく視る2号。
カードで出来た塔は崩れない。つまりは―――完成。
「う、うおおおおおおおよっしゃああああ!!」
雄叫びを挙げる2号。
今この時をもって、全員の脳内ではユニコーンな曲のサビ部分の壮大な音楽が流れ始めた。祝福である。
「これで、寝れる!」
歓喜していたその時だった。ギルド長スヴェートより、通信がやって来た。
「こんな時になんだ?」
溜息を吐きつつ通信を受け入れると、ホログラム姿となったギルド長が泣いていた。
『ァァアアアー!!』
そう、泣いていたのである。
「……」
2号は絶句した。
いったい、どうしたというのか。というか、もう寝かして欲しい。内容次第では怒ってやる。
泣きが収まったのか、落ち着いた様子を見せるギルド長は告げる。
『3号が死亡しました。…あ、涙が』
「そうか、死んだか………はぁ!?!?」
2号は、思わず驚愕した。
え、死んだの。嘘でしょう??
どうしてどうして、執務机へ「ドン!」と両手を置いた彼女は問おうとした時だった。
『……』
無言だった。ギルド長は、無言だった。
あぁ〜あ、といった顔で執務机を見ていた。
「どうした?」
ギルド長が、”それ”へ視線を投げた。
何故その顔をするのか、2号は不思議でしょうがなかった。”それ”へ視線を投げていた方向を視ると―――空気が一瞬で凍りついた。
「……」
その視線の先には、無慈悲に机の上に積み重なった”それ”―――トランプの山。
『……』
「……」
静寂が支配する。
やがて、それは破られる。そして…、
「ふざけやがって!どうしてくれんだァァァアアア!!」
『私は無実なのに!?お前自身がしたことなのに!?』
2号は憤怒した。
その後、「3号、この世からサヨナラ!」が語られたのだった。
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