暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
第70話「え、3号が死んだ?何故??」「よしよし、いい子だ」
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
が吊り上がる。笑うな。息をするな、するとしても鼻でしろ。寸分たりとも、油断は禁物。
 唾を飲み込み、両手の指で四角い額縁を作りその瞬間を絵画にする。

 二枚のカードを突き合わせ三角を作りながら、そっと置く。
 2号は、唾を飲み込んだ。鼓動が高鳴り、頬から伝って落ちた一筋の汗が執務机へ落下する。

 「て、手を離す…」

 さぁさぁ、手を離そう。そして私は、ベッドへダイブして寝るんだ。午前3:00だし。

 「ど、どうだ…?」

 念のため一?下がり、よく視る2号。
 カードで出来た塔は崩れない。つまりは―――完成。

 「う、うおおおおおおおよっしゃああああ!!」

 雄叫びを挙げる2号。
 今この時をもって、全員の脳内ではユニコーンな曲のサビ部分の壮大な音楽が流れ始めた。祝福である。
 
 「これで、寝れる!」

 歓喜していたその時だった。ギルド長スヴェートより、通信がやって来た。

 「こんな時になんだ?」

 溜息を吐きつつ通信を受け入れると、ホログラム姿となったギルド長が泣いていた。

 『ァァアアアー!!』

 そう、泣いていたのである。

 「……」

 2号は絶句した。
 いったい、どうしたというのか。というか、もう寝かして欲しい。内容次第では怒ってやる。
 
 泣きが収まったのか、落ち着いた様子を見せるギルド長は告げる。

 『3号が死亡しました。…あ、涙が』

 「そうか、死んだか………はぁ!?!?」

 2号は、思わず驚愕した。
 え、死んだの。嘘でしょう??
 どうしてどうして、執務机へ「ドン!」と両手を置いた彼女は問おうとした時だった。

 『……』

 無言だった。ギルド長は、無言だった。
 あぁ〜あ、といった顔で執務机を見ていた。

 「どうした?」

 ギルド長が、”それ”へ視線を投げた。
 何故その顔をするのか、2号は不思議でしょうがなかった。”それ”へ視線を投げていた方向を視ると―――空気が一瞬で凍りついた。

 「……」

 その視線の先には、無慈悲に机の上に積み重なった”それ”―――トランプの山。

 『……』

 「……」

 静寂が支配する。
 やがて、それは破られる。そして…、

 「ふざけやがって!どうしてくれんだァァァアアア!!」

 『私は無実なのに!?お前自身がしたことなのに!?』

 2号は憤怒した。
 その後、「3号、この世からサヨナラ!」が語られたのだった。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ