第68話「タスケテ〜」
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「辛かろう。そうして失う恐怖を抱えて生き続けるのは。ならば縋れ、我らガトランティスに」
古代は睨みつけている。
ズォーダー、お前がしていることは浄化主義のそれだ。
オリジナル1号でさえ、WOSゲームのとある世界線でしか実行していない事。その世界線にて浄化プレイに勤しんでいた彼女も、呆れる他ない。
未だニヤリしているズォーダーよ。
地球に攻め込んで来たら覚悟しておけ、コテンパンにしてやるからな。
荒らし死すべし慈悲は無い、オリジナル1号と同じく好きな言葉である。
手の甲をズォーダーへと向け、中指を立てる仕草―――「くたばれ」をしていたその時だった。
「…!?」
突然と、轟音と揺れが襲ってきたのだ。
それだけではない。遺跡は悲鳴の軋みを発し続け、周囲の結晶体は次々と剥落していく。
地面が大きく波打つように揺れたことで私と古代はよろけ、何とかその場で踏み留まることが出来た。
教授に憑依したズォーダーは、ほんの少しもよろけることは無かった。体幹を、しっかりと鍛えているのだろう。
この轟音に揺れ、只事ではない。外で、いったい何が起きているのか。
「言っている傍からこれだ」
だがそれは、ズォーダーは分かっているようだ。呆れた様子を隠さず、大仰に溜息を吐いた。
まさか、星に対し攻撃しているのか。おのれガトランティス!やはり荒らしであったか!
「反ガミラス統治破壊解放軍の仕業、か。惑星間弾道弾を使用したか。…フフ」
これはまた、驚いたものだ。
ガトランティスではなく、反ガミラス統治破壊解放軍の仕業だったとは…。
反乱軍とも呼ばれている破壊解放軍は、現政権の意向に叛意を持ち逆らう政治犯が中心となって構成される組織で、ガミラス支配圏内で度々武力闘争を繰り広げている。
その名目である大義名分は、デスラー政権の尻尾でしかない現政権の打倒、並びに周辺諸国の解放と自治独立。
そのような組織がまさか、《シュトラバーゼ》にまでやって来るとは。
もしやこれは、ズォーダーの差し金なのか。しかし、メリットがあるとは到底考えられない。
「やはり、人間は導かれねばならん。個人の情愛に流されぬ愛、そして宇宙の摂理と調和できる、我らガトランティスの真実の愛に従って」
…いや、このドヤ顔しているズォーダーのことだ。
いったい何がしたいかサッパリ理解出来なくとも、私は一つだけ分かっている。それは、―――愛に拘りまくるヤべェ男であるということ。
本当にお前、何がしたいんだろうか。微塵も分からん。
「お尋ねしたい」
その時だった。
ドヤ顔で睥睨するズォーダーへ、古代が問うたのだ。あんなヤベェ男に、慇懃は必要
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