第67話
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かった。
何か、関係があるのだろうか。
であれば、微塵も分からない。関係性が見当たらないし。
そう逡巡していたその時だった。古代が目を覚ましたのだ。
「あれは―――」
倒れ伏していた古代は起き上がると、「アケーリアス」を連呼している教授を見つめた。固く、身を案じている顔であった。
「レドラウズ教授?」
一方の教授は、遺跡に来てから相変わらず無表情。シュール。教授は目覚めた古代を気配で感知したのか、語り手のように話す。
「アケーリアス。人間たるもの全ての源、それが古代アケーリアス人。そんな彼らは何故、己の似姿をこの宇宙に広めた?」
またこの話か、溜息を吐いてしまう私は断じて悪くない。
であれば、この男はあれか。古代の為だけに、演説を練習していたとでもいうのか。…なんて怖ぇ男だ、コイツ。ドン引きしてしまう。
青白く輝く幾何学模様の壁面に刻まれている、女神テレサと邪魔な存在を粉砕する彗星。それらを見つめる教授は大きく両手を広げ、無表情で語る。…ヤベェ男だ、コイツ。
「滅びに瀕した自らの後継者を育てる為か?」
滅びる、か……巨大過ぎる《星巡るの方舟》を造りあげた存在が??
絶対に《星巡るの方舟》の対と為す、破壊を司る《方舟》もこの宇宙に存在するだろうな。どうか、一つであって欲しい。精神的に死ぬ。
アケーリアス、この宇宙すべてを実験場としている事だってあり得る。《バラン星》がその例だろう。なんだったら、この《シュトラバーゼ》だってそうではなかろうか。
別の宇宙にでも旅立ったのではないかな。
ふと思い出したのだがアケーリアスの遺産の一つである―――亜空間ゲート、ブリリアンス本部が存在するアルポ銀河にもあるんだよな。
しかし…育てる、か。
謎過ぎる。やはり、この宇宙はアケーリアスにとって実験場か。
子供を放置するなよ、親だろうが。
育てるといえば、オリジナル1号も人のことが云えない女だ。娘スラクルへの教育、基本的に放置なのだから。ドロイドに任せっきりで、当の本人は悠々自適の日々かつ気分で教育する。母親失格である。だから幼少期からいつも、母親である1号を一度も「母さん」と呼ばないのだ。
「もしそうなら何故、人の形に拘ったのだ?それは、滅びに至った同じ形であるというのに…」
超文明がそう簡単に滅びて堪るか。
そのアケーリアスは、この宇宙を観察しているのだぞ。知った風ではあるが、実はこれ本当に正解ではなかろうか。
あ、無表情の教授が古代に振り返った。
「男と女が愛を育てなければ、繁殖も出来ない不合理な生き物―――人間」
愛を知らない場合はどうしたらよいでしょうか、先生!
オリジナル1号、愛を
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