第64話「見たまえ桂木くん、《シュトラバーゼ》の姿を!」
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う?」
……ふむ、何故だろうね。だが、それを解き明かすことこそが私達―――考古学者の使命。
「その為には、遺跡を調査せねばならない」
そうだ。最も、この星に遺跡として存在する建造物は、アケーリアスによって作られたものではない。それは、判っている事実。遺跡として存在する建造物は、既に滅んだ星間文明が遺したもの。
滅んでしまった彼らはおそらく、アケーリアスの意図に気づいたのだろう。アケーリアスの遺跡を調査すれば、結論に達することが出来ると。
桂木くん。
「はい、教授」
我ら地球人類は果たして偶然誕生した存在なのだろうかと、疑問に思ったことはあるかな?
「…はい、あります」
そうだろう、そうだろう。私もそうだ。私は、人類が誕生したのは偶然だとは思っていない。イスカンダルやガミラス、ブリリアンスが太陽系に訪れる以前から、地球人類の種が遠い宇宙からやって来たと信じて疑わない。今後も、絶対に疑うことはない。
かつて、ガミラス戦争前の地球には古代文明の遺跡が存在していた。その遺跡には、宇宙人―――今では異星人と呼ぶ存在を示唆するものがあった。
ある日、天から降り、人々に叡智を授けた大いなる存在。『神』と崇められがらも、突如として姿を消した存在。太古の人々は『神』の姿を壁画に刻み、再び降臨する日を待ち続けた。
他にも、だ。文明すら持たぬ段階から、我々のDNAには偉大なる存在が刻まれていた。『旧約聖書』と呼ばれる神話において創造された―――最初の男女の段階で、だ。
「確か、教授の仮説を提唱したことがあると」
あぁ、沢山な。当時が懐かしい。…だが皆、眉を顰めるばかりだったよ。
「そうだったのですか?」
そうとも。はぁ全く、頭が固い。いや、彼らの気持ちも分かるつもりだ。だが、そもそも我々はワープを実現させて日が浅いのだから、直ぐ眉を顰められると…心が傷つくものだよ。
…はぁ、それにしても、『真実』を研究しているガミラス人に生まれたかった。こういった研究と調査は、ガミラスのほうが進んでいるというのに。
「まだ間に合いますよ、教授。ガミラスよりも先に、『真実』に辿り着きましょう」
そうだな。アケーリアスがどのような意志で、この宇宙に文明の種を蒔いたかを知ることが。
…それにしても、軍の連中は本当に頭が固いものだな。そもそも、私は公式に許可を得ているのだぞ。《シュトラバーゼ》の調査許可を得るのに、どれだけの手間が掛かったものか。頭を下げに下げ、ようやく実現したというのに。これでは、全てが水の泡となってしまう。
…軍の連中の言い分も、私なりに分かっているつもりだ。嫌な予感、しなかった訳じゃない。
ガトランティスが現れたの
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