第63話「まるで墓場だな」
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惑星を発っており、その宙域に残るのは偵察フリゲート艦と無力された第八機動艦隊のみ。
民間人の今後の扱いについてであるが、このまま救援艦隊の到着を待つのは危険があるということで、〈ヤマト〉は地球へ民間人を輸送していない。
その理由としては、スケジュールが崩れるからだ。〈ヤマト〉が《シュトラバーゼ》と呼ばれる惑星へと向かっているのは、《シュトラバーゼ》付近でガミラス艦隊の定期便が通過する為、それに民間人を移送するとのこと。
「惑星《シュトラバーゼ》、か」
「確か、太陽系から約1800光年の位置に存在しているんだったか?」
「左様です。そして惑星《シュトラバーゼ》にて、〈ヤマト〉は民間人を定期便に託します」
大地はバラバラで溶岩で覆われている《シュトラバーゼ》。例えるならば、地獄を体現したかのような惑星。その星の周囲をリング状―――紫色のガス雲が特徴的なだけでなく、両極から串刺しするかのように結晶のような物体が伸び、それは遠目からでも確認出来る程に巨大であるのだ。
「再起動した第八機動艦隊の消息ですが、おそらく〈ヤマト〉を追撃しているものと思われます」
ガトランティス第八機動艦隊が、〈ヤマト〉によって無力化された事は周知の事実。その敵艦隊は、例外なく機関部に異常を来たしているのもそうだ。しかしどうやらガトランティス兵は、”例の自爆”によって機関部と艦橋の双方を破壊していた事が発覚した。
おそらく、敵に利用されぬよう、〈ヤマト〉を追う旗艦とそれに従う約100万隻のカラクルム級戦闘艦を除いて、自爆して使えない様にしたのだと推測された。
「現在、一部の駐留艦隊とアンドロメダ級を旗艦とした少数の地球連邦艦隊は、残存する第八機動艦隊の監視の任に就いております」
監視をしている理由は、再活性化―――再起動するか、だ。規模は少なくとも艦隊を配置しているのは、”もしも”に備えてである。
「この規模の艦隊―――それもカラクルム級のみで構成された艦隊が、後9個もあるのか」
「第八、か付くんだ。あり得なくはないだろうな」
はぁ、と揃って溜息を吐くギルド長と2号。これが、ガトランティスが投入出来る最大規模の艦隊であると信じたい。しかし、後9個も存在するというのは決してあり得なくはない。
改めて思うが、3年間の間で何が起きたんだ。こんなもん、チートではなかろうか。この世界がゲームであるなら、運営によって修正されるだろう。だが悲しいかな、この世界は現実である。
2号は、ギルド長スヴェートにお願いをする。
「ギルド長―――いや、オリジナル。増援を要請する」
もとよりそのつもりだと、ギルド長スヴェートは力強く頷いた。増援として派遣する艦隊は主に、量産型機関を宿す
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