第59話「第十一番惑星、救出作戦を開始する!」
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「惑星表面へのグラビティダメージで、波動エンジンは一時的に使えなくなるぞ」
「復旧までに2時間。その間は、ショックカノンも波動防壁も使えん」
承知の上です、と古代は凛とした声音で応じた。
「潔い。まさしく、沖田戦法か」
キーマンは大仰に手を叩いた。声音には、厭味が込められていた。一度その瞳を閉じていた彼は、古代に対し嘲笑の色を浮かべる。
「それだけのリスクを冒して、死体の回収をノコノコと赴くのが〈ヤマト〉の使命か」
死体の回収、という言葉に玲と加藤は反応する。
「死体ですってッ!」
「この野郎ッ!」
彼女と彼は憤り、キーマンのその綺麗な顔を殴らんと歩を進めようとした時だ。
「万に一つ」
古代の決然とした声音に、玲と加藤は動きを止めた。2人は視線を彼へ向け、キーマンも同様に視線を向ける。キーマンとしては、危険を冒してまでする価値があるのか疑問に思う。
「万に一つの可能性にかけて、彼女は戦場から脱出した。その万に一つは生きている者が未だいると、俺達が信じることしか始まらない」
古代の視線の先へ一同は振り向くと、そこにはSOSを求めた空間騎兵隊の野戦服を着崩した女性―――永倉が直立不動の姿勢で古代達を見ていた。
彼女の隣には、赤いロボットの【アナライザー】と御年60歳である艦医の【佐藤酒蔵】がいる。
「……」
キーマンは思う。なるほど、ここの出入りはそれほど厳格なものではないらしい。
当事者である永倉本人を前に、それでも見捨てろと断言するほど自分は冷酷では無い。気遣いや優しさというよりは、ここで心情を逆撫でするのはどちらにとっても有益ではないと考えたからだ。こちらの意向が必ずしも最善とは限らない、これ以上どうこう言う必要は無い。
やれやれと、キーマンは肩を竦めた。それを尻目に、古代は全員へ目を転じたと同時に宣言する。
「総員、第一種戦闘配置を維持しつつ、 ワープ準備! 第十一番惑星、救出作戦を開始する!」
同時に宇宙戦艦ヤマトのレーダー範囲外ギリギリで、5隻からなるブリリアンス艦隊が〈ヤマト〉の後方を航行していた。
―――ブリリアンス艦隊旗艦、改アクラメータ級〈アラレス〉。
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『最高機密文書を運んでいるとはいえ、お前達は第十一番惑星に襲来したガトランティス艦隊を蹴散らせ。分かったな』
「ラジャー、ラジャー!」
ブリリアンス大使リンガルの命令を聞いたOOMコマンダーバトルドロイドは、挙手敬礼すると共に力強く頷いた。
「トイウコトハ、第十一番惑星ノ生存者ハ救助スルナデスネ!」
『違う違う』
ブリリアンス大使リンガ
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