第59話「第十一番惑星、救出作戦を開始する!」
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
り、第十一番惑星は航路の外だ」
古代達は、アドバイザーとして乗艦しているキーマンへ視線を向けた。注がれる視線を受けている彼は、言葉を紡いだ。
「一刻も早く《テレザート》へ辿り着く、それが〈ヤマト〉の目的だ。それは、第十一番惑星の件より優先される任務」
表情変えずそう言ったキーマンに、古代の拳に力が込められた。
「……」
古代を一瞥したキーマンは、見渡しながら告げる。確かにガトランティスが第十一番惑星にまで攻め込んでいた事は重要な情報だが、寄り道などしている時間は無い。地球に危機は伝えた。〈ヤマト〉の役目は、それで十分だ。一刻も早くテレザート星へ向かう。それが、キーマンの判断だった。
「〈ヤマト〉の目的である以上―――」
「目的は人助け」
続けようとした時、1人の若い女性によって遮りられるキーマン。彼と古代達の視線は、彼女へ注がれる。白色のショートヘアと緋眼をする、褐色の女性は加藤の隣に並ぶと口を開いた。
「《テレザート》の救援要請に応じることが《ヤマト》の目的だと、私は理解しております」
にもかかわらず、と静かにキーマンを睨みつける玲。
「目の前で溺れている者を見捨てるというのは矛盾です、承服出来ません」
断固たる口調で、彼女は告げた。
「君は、確か…」
キーマンは、彼女の顔を見て思い出した。イスカンダル航海中で航空隊に転属しエースパイロットとして君臨、帰還後は月面基地航空隊に配属され新人の指導に当たっている女性。
「中尉に命を救っていただいた者です」
間違いない、彼女は―――山本玲だ。
「何故、此処にいる?此処は、上級士官のみの会議だが」
キーマンは驚くことなく玲へ問いかける。突然の介入にも、それがここにいる筈で無い人間に驚いた訳ではない。何者かは把握している故の反応だからだ。
キーマンに向き直った玲は、その問いかけに無視し問い返す。
「同胞の危機を見過ごせないのは、ガミラスも地球も変わりないのでは?」
嫌な物言いだと、キーマンは思う。答えようによっては『ガミラスでは見殺しにするのが常套でしょうけどね』と捉えられるだが、彼はここでガミラス人を代表して釈明の議論をするつもりは無い。
「残酷なようだが、時間が経ち過ぎている。もう生存者はいない」
しかし、玲は引き下がらなかった。
「行ってみなければわからないでしょう?!現に脱出してきた者が―――」
「水掛け論だ」
キーマンが遮ったことで、玲は静かに睨みつけながら黙る。それは確認した彼は、古代へ顔を向ける。
「艦長代理の判断を伺いたい」
「……」
古代はこのやり取りの間も、視線を落と
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ