第59話「第十一番惑星、救出作戦を開始する!」
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―――海王星宙域。
叛乱容疑が晴れた宇宙戦艦ヤマトは、かつて太陽系の最遠部であった海王星軌道に到達していた。
現在〈ヤマト〉の中央作戦室では、ブリーフィングが行われていた。この場には艦長代理の古代、航海長の島、技術長の真田、機関長の徳川、アドバイザーとして乗艦しているガミラス人の駐在武官―――クラウス?キーマン、そして月面基地から〈ヤマト〉に合流した坊主頭の男―――加藤三郎が集っている。
加藤三郎は〈ヤマト〉ではかつて航空隊の隊長を務めた男で、イスカンダル航海の帰還後は月面基地にて《筆頭教官》として航空隊の後進の育成をしている。
そんな彼がヤマトに合流したのは、妻―――真琴に後押しされたからである。
中央作戦室には、テーブルや椅子といった物は一切無い。ブリーフィングの際は、床型の大型なスクリーンが使用される。そのスクリーンは上に立つ者から立体視出来るよう設えられており、宇宙空間を映せばそのまま虚空を足下に見下ろすような感覚を覚えるだろう。
航海科のトップ―――島が告げる。間接照明の明度が落とされた中央作戦室の足下―――床型スクリーンに航路図が表示され、下方からの光は出席者の顔を照らし、ぼんやりと影が刻まれていた。
「現在の座標から、再加速を掛けた場合の最短ルートがこれだ」
島に呼応した床型スクリーンの表示は、その範囲を広げていく。やがて真っ直ぐと延びる一筋の道筋は太陽系を超え、オリオン腕を超え、地球から銀河系の南の方向へ向かっていった。
説明すると共に、島は古代を見やる。
「16時間ごとにワープを消化すれば、〈ヤマト〉は29日後にはメッセージが発進された宙域に到達出来る」
島だけではない。この場に集う皆が、古代へ視線を向けた。
「……」
古代は、床型スクリーンに表示されている宙域を見つめていた。目的地であるテレザート星ではなく、太陽系の最果ての星―――第十一番惑星をだ。
古代はブリーフィングの前に、真田と共に艦内の通信室で司令部と連絡を取り、第十一番惑星への事態についての対応を話し合った。相手は統括司令長官―――藤堂と、統括司令副長官―――芹沢だ。
藤堂と芹沢は、その事態への介入を許さなかった。
―――諸君には予定通り、テレザート星へ向かって貰いたい。
―――協議が整い次第、第十一番惑星の奪還を敢行する。
異議を唱えた古代だが、2人の返答は変わらずだった。古代にとって、承服しかねること。
『……』
彼だけではない。この場に集うイスカンダル航海を共にした仲間も、同じ気持ちなのだ。彼らは、古代と同じく第十一番惑星を見つめていた。…ガミラス人の駐在武官―――キーマンを除いて。
「観ての通
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