第58話「へるぷみ〜」
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
すという習慣があるようだ。
その集まりの中心で、サンタクロースがガミラス人の兄妹に何やら玩具を与えているようだった。なるほど、このサンタクロースは直接プレゼントを渡すのか。
妹であろう長い緑髪の幼い少女はこの星の動物を模したぬいぐるみを貰い、彼女の兄と思われる少年は宇宙戦艦ヤマトの模型を手にしている。そうして、地球人、ガミラス人問わず子供たちに玩具を渡していた。貰った子供はキャッキャと嬉しく、貰うのは待っている子供は待ち遠しい様子ではしゃいでいる。
なるほど、これがサンタクロースか。にしても、と3号は思う。あのサンタクロース、車椅子なのは何故だろうか。足が悪いのだろうか、それとも歳だからか。どちらもだろうなぁ、とソフトクリームを一口食べた3号はそう思った。
「歳といえば、1号は年齢を気にしていたな」
御年80歳となるギルド長だが、未だに見た目は20代と若い女性のまま。ギルド長は、「老衰で死ぬのは、いつになるか」と嘆いていた。確かに、老いず衰えないのは異常だ。設定で、そのようなことは一切していないからだ。彼女の外見はリアル―――つまり現実世界そのまんまとなっているが、まさかそれだけでこの異常は起こり得ないだろう。生来からとかなら分かるが。
そういえば、と3号は思い出した。最近、ギルド長は事故ったのだ。何がって、戦闘機を操縦していたギルド長は誤って脱出ボタンを押してしまい、宇宙空間を漂ったのだ。しかも、生身でだ。そう、パイロットスーツを着用していなかったのだ。そのまんま死ぬかと思いきや、平然としていたと聞く。そんなギルド長は宇宙遊泳していたようだが、「漂うことしか出来なかった」とのこと。どうやら彼女は、宇宙空間を生身で存在出来るようになったようだ。
確かに異常だなぁ、と3号は今でも思っている。ギルド長はそのうち宇宙遊泳とかだったり、バトル世界のように思うがまま空や宇宙空間を飛翔出来るようになるのではないだろうか。自分もそれ出来ないかな、と不思議と3号は羨ましくなってしまう。
「…?」
3号は、その視線をとある軍のビルへと向ける共に見上げる。そのビルから、視線を自分へ向けられている訳ではない。ただ、自分がたまたま視線を向けただけだ。
そのビルの高い階に存在するベランダには、私服姿である長い黒髪の女性がいた。ベージュ色の上着を着ている、若い女性だ。考古学者、なのだろうか。にしても何故、大きく両手を広げ空を見ているのだろうか。
あぁ、と彼女は理解した。天上に御わす神へ、祈っているのだ。信仰の自由だからな、好きにやるといい。
その時だった。賑わう広場の喧騒を覆い被さるように、突然と警報音が鳴り響いたのだ。
「…ん?」
いったいなんだろうかと、ソフトクリームをたったいま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ