第一部
三月の戦闘 X
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がない。
「貴方の能力だけ教えられるのも不公平だし、そろそろ私の権能も教えて上げる。」
謎のままだった彼女の権能を聞けるとは思っていなかったドニとアンドレアは驚愕した。普通、自身の能力は隠しておくものなのだ。賢人議会に調べられたとしても、出来るだけ秘密にしようとするのが普通である。
ドニの場合は、彼の権能が、教えた所で対処出来ない類の権能だから公開しているのだ。最強の矛と最強の盾。その二つを所持していることを知られた所で、痛くも痒くもない。その代わり、他に持っているいくつかの権能は秘密にしているが。
今回のように、他のカンピオーネとの戦闘になることも考えられる為、鈴蘭が自身の権能を教えるということは、教えても問題ない能力なのか、それとも、誰にも負けない自信があるのか?
「私の権能はただ一つ。『万物の根源たるアルケーを生産し、それを加工する』という権能。ただこれだけ。」
『は?』
だが、この答えは二人とも予想していなかった。
「あ、あれだけ多彩な攻撃をしてきて、権能がそれだけ?・・・流石に、いくら僕でも信じられないな。」
馬鹿にされたと感じたのか、ドニの言葉に刺が混じる。が、鈴蘭はそれを笑って流した。
「アルケーは、万物の根源。だから何にでも成れる。私は、それを呪力に加工しているだけ。これの変換効率は凄いんだよ?『呪力を使ってアルケーを創り、そのアルケーを圧倒的な量の呪力に変換する』。私がやっていたのはただそれだけなんだよ。このマシンガンは、ウチの科学顧問が創った物で、私がアルケーから創った弾丸を発射してただけ。『魔王の見えざる手』も、元々私が持ってた能力だし。怪我だって、怪我した部分の細胞をアルケーで創れば、すぐに治るしね。」
彼女の言葉を理解して、アンドレアは戦慄した。
(それでは、弱点などないじゃないか!)
後に賢人議会によって、【無限なるもの】と名付けられる権能。彼女の能力は、要訳してしまえば『何でも創れる』という能力なのだ。無限に呪力を創り、それを攻撃や防御へと変換出来る永久機関。特殊な攻撃力も防御力も無いが、重症すら即座に修復し、減った血液すら補填出来るため、即死しない限りは無限に戦い続ける事が出来る。
コレが、どれだけ厄介な能力か分かるだろうか?先日の翔希がやったように、ただの魔術ですら、相応の呪力を注ぎ込んでやれば神々にすら通じる攻撃となるのだ。防御の術も同じ。圧倒的なエネルギーさえ存在するなら、神々の攻撃を防ぐことなど容易い。
つまり、彼女との戦いは、長引けば長引くだけ不利となる。自分は呪力や体力を消費していくのに、彼女は体力以外の損耗がないのだ。普通は、自分の持っている呪力を攻
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