暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
第55話「ギルド長の1日」
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ナイフとフォーク、最後には牛乳がガラスコップへと注がれた。

 「本日の朝食は、ポーチドサーモンとミントサラダをご用意致しました」

 ポーチドサーモンとは、ハーブなどで香りをつけたお湯でサーモンを軽く茹でたものだ。茹でたサーモンの身はふわりと柔らかく、ナイフがスっと入る。クリームを加えたオランデーズソースも、コクがありながら軽い味わいだ。しつこく無い味わいの為、目覚めたばかりの胃に優しいもの。
 ロメインレタスのサラダも爽やかだ。ミントは刻んでドレッシングに加えているため特有の刺激が前に出ず、食べやすく仕上がっていた。

 短い黒髪のメイドは、付け合わせをどれにするか伺う。

 「付け合わせはトーストスコーンとカンパーニュが焼けておりますが、どれになさいますか?」

 トーストスコーンとは、スコットランド発祥で「バノック」と呼ばれるパンが起源の焼き菓子だ。
 カンパーニュは、しっかりと焼かれた香ばしいクラストと大小ふぞろいの気泡があるしっとりしたクラムが特徴のパンで、出されたこのカンパーニュは一般的な丸型であった。

 「トーストスコーンで」

 「かしこまりました」

 目の前に付け合わせのトーストスコーンが置かれると、スヴェートは朝食を頂いた。

 朝食を全て完食したスヴェートは、本部を出て狩猟を行った。いつも着用している軍服ではなく、それに適した服装で以って。WOSゲームでは異星人の囚人を狩猟していた彼女だが、現実世界に転移して以降は、それはやっていない。
 狩猟を1時間ほど行った後は昼となると、水着姿となり水泳を楽しみボートを漕いで遊んだりをしたスヴェート。その時間、実に2時間。

 午後14時となると、デッキチェアに座るスヴェートはサンドイッチを食べた。その後はデッキチェアに背中を深く預け、サングラスを掛けた彼女はオレンジジュースを飲みながら自然の風景を眺めた。

 午後15時になると、本部に戻りシャワーを浴びた。その後はいつもの軍服を着用し、ふらりとスラクルの仕事場を、スヴェートは後方母親面で見学。
  
 午後16時を過ぎると、スヴェートは本部の地下に存在する渋い光に照らされた大きな空間にいた。パーティーホールほどの大きさはある部屋には、多数の漆黒が基調の棺と用途不明の何かが大量に設置されていた。淡い光を発する、板状の構造物。パイプが何本も飛び出した、金属製の巨大な機械。

 正面には床から天井まであるガラスの壁が存在しているのに対し、左右にはガラスで出来ていると思しき巨大な透明の筒があった。ガラス製の、大型な円筒。両手を回しても、半分にも届かないだろう大きさだ。多数の棺は中央に位置し、ガラス製の透明な円筒は壁面にズラリと並んでいる。液体で満たされたガラス製の透明な円筒は、底から生み出
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