第54話「ほほう…」
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
仲間達は決意を挙げる。
「〈ヤマト〉で行こう!」
「頑張ります!」
「俺達は間違ってない!」
「司令部が何だってんだ。負けるもんか!」
古代は、島を見た。盛り上がる彼らを他所に、苦渋の表情を浮かべていた。そうだ、島には家族が―――母親と弟がいる。そう簡単に、決めることは出来ない内容だ。少しでも考えれば分かることだった。助けを求める声よりも、家族が大事なのは当然の事だ。すまなかった、と古代は視線で謝罪した。島も気づいたのだろう。彼のほうを見て、気にするな、と苦笑いを浮かべた。
ふと、古代は気がついた。いつの間にか、森雪がこの場から離れていたことに。古代は、彼女を追った。だが、古代と……彼らは気づいていなかった。
『……』
この一部始終を、”彼女”に見られているとも知らずに…。
―――ブリリアンス・ギルド駐地球大使館。
ここ大使館には、2号ことリンガル・フォーネットがよく使う映画館が存在する。小さいながらも、1人が使うには充分過ぎる程の広さである。映画館は映画を見る為のものだが、2号は映画の他にニュースなどを観る。後は《時間断層》の様子。映画館とはいったい、映画館の意味…。
さて、そんな彼女であるが、今は何を観ているのか言うと…。
「ほほう、女神テレサは星座の形をも変えることが出来るのか。高次元生命体テレサと呼ぶべきか、悩むところだ。さぞや金髪の美女に違いない、女神だから当然か。それにしても、機密事項の筈の《時間断層》の存在がバレるとは。バレる…バレル…ブフゥアハハっ!…笑ってしまうな。いや、それにしても、まさか反乱しちゃうぜの現場を観てしまうとは。3号が実験の為ステルスでこっそり後ろをつけていたのが、反乱しちゃうぜのこれまで観てしまった。よくやった、と褒めるべきだろうか。悩ましいところだ。あ、そうだ。ギルド長―――オリジナル1号に送らねば。いや、それは後でにするとしよう。今はっと―――」
塩味のポップコーンを食べながら、テレサと《時間断層》についての一部始終を観ていた。これをギルド長の娘である宰相―――スラクルが知ったら…果てさて、ギルド長スヴェート以下はどうなることやら。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ