第51話「テレーゼ・ドルクマス」
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卒業した私はNASAの一員となる。NASAは、地球上のどの国と組織よりも早く宇宙艦隊を創設した組織だ。同時に、宇宙に関する利権を独占している組織でもある。…正直、入れたのは本当に奇跡としか言いようがない。私の頭脳に感謝だ。
感謝している中、1週間もしない内に地球がガミラスの《流星爆弾》に攻撃された。全く、ガミラスに対し先制攻撃なんてするからだ。命令を出すなよ、芹沢め…。
地下都市へ避難し暮らさねばならなくなった。地上は、住める環境では無い。国際連合の相互交通は分断され、地下ケーブルによる通信とエネルギー共有しか行えない。
各エリアは自給自足の道を模索し懸命に生存の道を探っている中、極東管区は『イズモ計画』を芹沢虎徹が立案し、脱出用大型宇宙船の建造を極秘裏に進行。芹沢…。
『イズモ計画』は移住可能な惑星を探査するというものだが、その実は優秀な遺伝子を持った―――選ばれた者のみが脱出するというのもの。ふざけやがって。
食糧が配給制となり、エネルギー不足による断続的な停電や正体不明の病気が流行するような情勢の最中、「地球滅亡するのも時間の問題だから、脱出するね♪」という真相が漏れ、政府に対するデモや暴動、テロが頻発し、人類は自滅する危機にも直面していた。
しかし西暦2198年を迎えようとした時、人類に転機が訪れた。ガミラスとは異なる知的生命体―――イスカンダルからのメッセージが金髪の美少女と共に届けられた。イスカンダルの使者は地球人と同じ容姿で、神々しい肌をしていた。
メッセージは「地球再生システムを供与する」という申し出であり、このシステムを受け取りに来るようにとあった。ガミラスの欺瞞工作ではと極東管区軍務局長―――芹沢虎徹を始めとする疑う声もあったが、それは考えにくかった。戦局は、ガミラスが有利だからだ。当時は極東管区の行政長官―――藤堂平九郎を始め、多くの者はメーセージを信じるほうに傾いた。
メッセージに信憑性があると確信した極東管区は『イズモ計画』を凍結し、地球再生に望みを掛ける『ヤマト計画』を発動した。責任者として、当時は国連宇宙局幕僚監部・作戦部九課に所属していた真田志郎を任命される。
メッセージには地球の科学水準を遥かに超える次元波動理論に基づく推進機関の設計図も含まれ、真田はその設計図を解析し苦難の末に次元波動機関を1年で完成させた。たった1年で完成させたのだ。本当にもう、凄いとしか。この機関を『イズモ計画』で準備していた脱出用宇宙船に搭載し、宇宙戦艦ヤマトが誕生。
残るは、次元波動機関を起動する最後の部品―――波動コア。これはイスカンダルにしか作ることが出来ない代物で、使者が届けてくれることになっていた。
しかし、メッセージを受け取ってから1年の間、戦局は更に
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