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星河の覇皇
第八十七部第一章 シャイターンの復活その五十五

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「平均は七割だった」
「実に損害の多い戦闘でした」
「しかしその中で三割はな」
 これはというのだ。
「運だけではない」
「采配も影響していますね」
「やはりな、だからうちの司令はな」
「大将への道がですか」
「開けた、乗艦も攻撃を受けたが」
 司令のそれもというのだ。
「それでも損害は少ない方だった」
「だからですね」
「もっとも普通の戦闘で三割の損害はな」
「致命的ですよね」
 少尉も言った。
「最早」
「ああ、最悪だ」
「そうですよね」
「普通はな」
「それが七割になると」
「それも敵軍もだからな」
 敵であるティムール軍もというのだ。
「もうな」
「有り得ないまでに激しい戦いでしたね」
「本当にな、それで三割の損害はな」
「奇跡的ですね」
「俺達の艦もな」
 その空母もというのだ。
「沈まなかったしな」
「ビームやミサイルや魚雷が常に周りを飛んで来て直撃も受けましたね」
「それでも沈まなかったしな」
「やはりそれは」
「司令の采配か」
「そのせいですか」
「そうかも知れないですね、敵の攻撃は激しくても」
 それでもというのだ。
「損害が少ないのならな」
「采配ですね」
「前方にやたら障壁を出していたな」
 自分達の艦隊はというのだ。
「それで敵の攻撃随分殺していたからな」
「それがよかったでしょうね」
「やっぱりな」
 そうだというのだ。
「本当にな」
「そういうことですね」
「アステロイド上手に使ってな」
「その工夫が功を奏しましたか」
「やっぱりな、戦争も工夫だな」
「それを使って戦えばですね」
「死ぬことも減るさ」
 戦死者が減少するというのだ。
「そういうことだよ」
「そうですね、しかし逆に考えますと」
 少尉は腕を組み難しい顔で述べた、それはどうしてもという顔で出したものだった。
「そこまで工夫してですか」
「三割の損害だったな」
「どれだけ激しい戦闘だったかということですね」
「そうだよな、それはな」
 大尉も否定しなかった、整備士官の当直室で二人で話しているが二人共その顔は深刻なものだった。
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