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神々の塔
第七十七話 世界のサイクルその十一

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「あの方は」
「そやな、それやとな」
「接近戦は挑まずに」
「それでや」 
 そのうえでというのだ。
「戦う」
「そうするな」
「そしてや」 
「勝ってくな」
「ヒンズー教の神霊さん達の中でも特に強い」
 芥川は看破した。
「僕等これまでヒンズー教の神々とも戦ってきたが」
「ガネーシャ神やカーリー女神とね」
 綾乃が応えた。
「そうしてきたね」
「その中でもや」
「やっぱり三大神だけあって」
「その力はちゃうわ」
「別格やね」
「その三大伸にも勝って」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「先に進むには」
「今回もそれぞれの神霊さんの特徴を見て」
「それに合わせた戦をする」
「頭を使ってな」
「戦うことやね」
「これまでもそうしてきたし」
 それでというのだ。
「これからもな」
「そうして戦って」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「勝とうな」
「そやね、それでうちは思いきり術使って」
 綾乃はここで自分の今回の戦い方でのポジションの話をした。
「八岐大蛇にも攻めてもらって」
「神霊さんの注意を引くな」
「ブラフマー神とヴィシュヌ神の時は」
「そうしてくれるか」
「神舟持ってるリー君、大勢のドラゴンを一度に使役出来るシェリルちゃんと一緒に」
「三人でやな」
「神霊さんの注意引くわ」
「頼むで、そしてシヴァ神の時はな」
 芥川はこの神霊と戦う時のことも話した。
「僕等接近戦を挑めるモンがや」
「向かって行って注意を引いて」
「今回とは逆にな」
「うち等が攻めて」
「そうしてや」 
 そのうえでというのだ。
「勝負決めてくれるか」
「そうさせてもらうわ」
「ほなそうしてな」
「戦っていこうね」
「そうしよな」 
 こう綾乃に言ってだった。
 芥川もまたブラフマーに接近戦を挑んだ、予想通り術や光を使っての戦と比べて接近戦が苦手な創造の神はそこから敗れ。
 ヴィシュヌもそうなり最後のシヴァ神はこれまでとは逆の戦術で一行に敗れた、すると彼等は確かな顔と声で一行に告げた。
「その戦ぶりだ」
「知恵も忘れるな」
「強さと共にな」
「自分達を知ってだ」
「そして相手も知ってだ」
「そのうえで考えて戦うことだ」
「はい」
 シェリルが応えた。
「そうしていきます」
「その様にな」
「では行くのだ」
「これからもな」
「そうしていきます」
 シェリルは確かな声で頷いた、そうしてだった。
 一行はさらに上に進んだ、塔はまさにあと少しだった、だがまだ先はある。彼等はそのことを意識しつつ進んでいった。


第七十七話   完


                   2024・6・8
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