第八十七部第一章 シャイターンの復活その五十四
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「こんなこと思わないけれどな」
「今の八割の状況ですと」
「どうしてもな」
このことはというのだ。
「思ってな」
「余計にですか」
「整備したいな、もう前線に出たら二つに一つだ」
「戦死か武勲挙げるか」
「どっちかだ」
こう言うのだった。
「もう覚悟決めるしかないな」
「艦の中じゃ逃げ場所もないですし」
「戦うしかないな」
「戦闘になれば」
少尉も言った。
「まさにです」
「それしかないな」
「はい」
「逃げられないなら」
「もう腹を括って」
「戦うだけだ」
大尉も言った。
「その時はな」
「栄光か死か」
「それだ、それに死んでもな」
そうなってもというのだ。
「ジハードだからな」
「天国に行けます」
「どうせ天国に行くならな」
戦死するにしてもというのだ。
「やっぱりだろ」
「はい、恰好いい方がいいですね」
「勇敢に戦って華々しく死んだ方がな」
「アッラーも喜んで下さいますね」
「アッラーの寛容さは人の比ではない、だからジハードで死ぬならだ」
「例えどういった形でも」
「確実に天国に行ける」
そうなるというのがこの時代のサハラでの教えだ。
「それがイスラムだ」
「まことに素晴らしい教えですね」
「つまり天国に行くかだ」
「栄光かですね」
「そう考えると実にいいな」
「左様ですね」
「だから覚悟はだ」
これはというのだ。
「定めてだ」
「そうして戦場に出るべきですね」
「そうだ、ではこのままだ」
「戦う為に整備もですね」
「急がせることだ、しかしよくあれだけ激しい戦闘も二回も行って損害が三割程度で済んだものだな」
大尉は自分達が所属している艦隊の損害についてまた言った、それは即ち自分達の死傷率であるからだ。
「本当にな」
「それはやはり司令の」
「そうかもな」
実際にというのだ。
「采配がよかったからな」
「それだけで済みましたか」
「実際運があってもだ」
戦争は多分に運が影響するものでもというのだ。
「俺達の艦隊も最前線でな」
「敵艦隊と全力で戦いました」
「正面から堂々の殴り合いだった」
「もうノーガードの」
「そんな戦闘を二度もしてだ」
それでもというのだ。
「あの程度の損害はな」
「かなりのことですね」
「本当に酷い艦隊は損害八割だったからな」
戦闘では損害三割で全滅だ、それが八割になると話にもならない。
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