第二十七話 真の悪との戦いその七
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「ましてこの世界をどうするか」
「そうした考えがないなら」
「それならだ」
「もう人間社会を滅ぼそうとか」
「その為に戦うということはな」
「ないわね」
「それじゃあな」
チケットはバドとワゴンのやり取りを聞いてそのうえでバドに尋ねた。
「ギアの連中で自分を護ってダグデド達を退けてな」
「どうした」
「それからあの旦那何するんだ?」
「ダグデド達の後か」
「ああ、俺達なりギアなりが倒してな」
ダグデド達をというのだ。
「多分シャドーラインとかもあいつ等とは戦うだろうしな」
「そうしてか」
「あいつ等がいなくなってからな」
それからというのだ。
「おっさんどうするんだ」
「ギアもか」
「一体な」
「仲間で楽しく暮らすだろう」
バドは腕を組み考える顔で話した。
「今のドクターマンはな」
「そうでしょうな」
セバスチャンも言ってきた。
「あの方はもう執念や憎悪といったものはありません」
「そうですね」
クロダも言ってきた。
「会ってお話をしても」
「穏やかに暮らすことをお考えですね」
「人間をどうしようかとはです」
「全く考えておられず」
「平和に暮らしたいだけですね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「お店を経営され」
「ギアの人達と一緒に暮らされ」
「そしてです」
「余生を過ごされますね」
「そうでしょう」
「もう今の彼に負の感情は感じられない」
オラディンは確かな声で言い切った。
「私もそう見ている」
「左様ですね」
「かつては憎悪に支配されていたにしても」
人間に対するそれにとだ、オラディンはセバスチャンに応えてそのうえであらためてこう言ったのだった。
「今の彼は違う、一人の人間だ」
「道を誤った科学者でもないね」
博多も自分の見方を述べた。
「今のあの人は」
「そうだな、だからだ」
「それではね」
「今の彼はギアを再興させてだ」
「ダグデド達との戦いを終えても」
「それでもだ」
そうなろうともというのだ。
「人間の世界に何かをすることはない」
「そうだね」
「静かに余生を過ごす」
「お店を続けてギアの人達と仲良く暮らして」
「そのうえでな」
「そうなるね」
「調べたらギアの構成員に邪悪さは感じられない」
長老は確かな声で指摘した。
「確かにバイオマン達と戦ったが」
「むしろ逆に悲しさを感じますね」
仲村は長老に考える顔で応えた。
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