第50話
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れているスヴェートへ向けた。
『さて、聞こうか。―――2号』
2号と呼ばれたリンガルは掛けていたサングラスを取り、机に置いた。
「では、話そう」
2号と呼ばれたリンガルの顔は―――スヴェートと瓜二つの顔をしていた。リンガル―――2号は、コピーアンドロイドだ。趣味、思考、性格、スヴェートの何もかもがコピーされたアンドロイド。それが、コピーアンドロイドである。
「ガトランティス戦艦特攻事件の直後、太陽系全域に通信障害が発生した。原因は不明。…だが」
『だが?』
「これを観て欲しい」
2号は、写真を展開する。買い物している者、街を歩く者、病室、宇宙港のカウンターを出た者など、様々な場所で何人もの人間が撮影されていた。これらは全て、隠し撮りである。2号は、曇りのない笑顔を浮かべた。
『どれも共通しているな。元〈ヤマト〉のクルーか』
スヴェートは褒めた。よくやった、と。
「テレサ、とやらの声を聞いた者達だ。元〈ヤマト〉の乗組員だけが、幻影を見た。太陽系全域に通信障害が発生した時に。幻影は、知人あるいは親しかった家族。幻影は共通し、こう言ったそうだ。―――ヤマトに乗れ、と」
テレサとやらで、地球連邦政府は動き出している。それと、どうやらガミラスも動き出しているようだが、今のところは大使以下の大使館のみ。それでも、ガミラスの本星が動くのも時間の問題だろう。事が重大であると、認識しているようだ。
『調査を継続。よろしく頼む』
「了解だ。それと、”例の人物”を発見した」
ほう、とスヴェートはオッドアイの双眸を細める。探していた人物だからだ。2号は、元〈ヤマト〉クルーの写真から”例の人物”の写真に切り替えた。
地球上のどの国と組織よりも早く宇宙艦隊を創設し、永らく宇宙に関する利権を独占していたNASAに属する、青いセミロングヘアと青い瞳の若い女性。
『彼女が、そうか』
「間違いない、彼女は―――」
―――転生者だ。
その写真には、ルンルン気分で宇宙戦艦ヤマトのプラモデルを買う女性―――テレーゼ・ドルクマスが映っていた。
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