第44話「《プランA》発動」
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閃光が、ガトランティス艦隊を覆った。爆発の光すら、強烈なエネルギーに呑み込まれる。浮遊大陸さえ亀裂を生じ、崩壊していった。砕けるというより、握り潰すような破壊だった。
衝撃波が波紋の如く広がる。浮遊大陸が存在する惑星のガス雲が津波さながらにうねり、退避した連合艦隊の各艦は姿勢を崩しそうになる。
「あれは、波動砲、ですよね。でも、あれは…」
驚く相原は、溜息にも似た声を洩らす。自分達が知っている波動砲とは異なるからだ。
「拡散するなんて…」
南部も驚きを隠せないでいた。たった今、目のあたりにしながらも、その威力を未だに現実だと受け入れることが出来なかった。
「…っ!」
古代は波動砲の蒼き閃光を見続けながら、イスカンダルの女王―――スターシャ・イスカンダルと約束した事を追憶していた。
……
…
「約束してください」
あの日の言葉を、古代は鮮明に覚えている。イスカンダルでの会話を。イスカンダルの女王スターシャが、宇宙戦艦ヤマトに訪ねて来たのだ。艦長の沖田十三に会う為に。宇宙戦艦ヤマトに彼女が足を踏み入れたのは、一度きりだった。
英雄と名高い沖田十三だが、その時は病の床にあった。流星爆弾症候群が、沖田の身体を冒していたからだ。
古代は艦長代理として科学者でもある副長の真田志郎と情報長の新見薫3人で、スターシャを艦長室へ案内した。彼女は、傾国級の美貌の持ち主だった。その容貌は長い金髪と輝く金の瞳をし、胸元や肩回りなどの素肌が見えるドレスを着用しており、首回りは水晶石のような飾り付けがあった。
スターシャは用意された椅子に座り、静かに古代達と相対していた。
「貴女が差し伸べていただいた救いの手を、我々は波動エネルギーを転用した破壊兵器を作り上げてしまった。その責は、重く捉えています」
沖田は腰掛けをし、車椅子に座っていた。スターシャに非礼を詫び、彼女が快く認めたところから会話が始まった。
ガミラスの流星爆弾により地球環境は激変し西暦2199年初頭の時点で、地下都市に避難した人類も生存出来るのは残り1年と追い詰められていた。そのような状況の最中、イスカンダルから地球を再生させる装置―――コスモリバースシステムの存在を知らされた人類は、人類の希望である宇宙戦艦ヤマトをイスカンダルへと送り出した。イスカンダルに行き、受領しなくてはならないからだ。
太陽系を出ることすらままならない人類にイスカンダルは波動エンジンの技術を提供したことで、真田志郎の手により、光の壁を超えることが出来る時空跳躍航法―――ワープが可能とした。
人類にとってワープは、神から与えられた聖火に等しかった。革命的な技術的開発が種族の歴史を変えたとするならば、ワ
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