第42話「第八浮遊大陸攻防、開始」
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少しして、遂に敵中枢へと到達した。
「左舷にメダルーサ級を確認!」
艦橋の窓からでも目視可能な距離に、1隻のメダルーサ級はいた。メダルーサ級に装備されている艦首の巨大な主砲塔こと五連装大口径徹甲砲塔が、右舷上方より迫る〈ゆうなぎ〉を狙うために、砲身が最大限に上を向く。
五門の砲口から順次ビームが発射される。加えて艦体に装備された他の速射輪胴砲塔等も呼応して、襲い来る〈ゆうなぎ〉に次々と発射する。
〈ゆうなぎ〉が驚くほどの機動性で回り込み、なおかつ波動防壁で敵のビームを逸らしダメージを軽減させていく。
敵艦の対空迎撃射撃の網を掻い潜る中で、古代は攻撃を行う絶好のポイントに差し掛かるや、焦ることなく命じた。
「艦首魚雷発射管、1番〜4番を開口。目標、正面のメダルーサ級!」
「発射管開口、魚雷発射準備よし!」
「発射!」
艦首方向がメダルーサ級の横っ腹に向くと同時に、〈ゆうなぎ〉艦首に装備されている艦首魚雷発射管が開口され、新型空間魚雷4本が獲物目掛けて飛び出した。新型空間魚雷は真っ直ぐ突進し、食らいつこうとする。
そのメダルーサ級は突進してくる〈ゆうなぎ〉に注意が完全に行っているようで、猛進してくる空間魚雷にまで気が回らなかったようだ。迎撃不可能な近距離にまで接近した。
五連装大口径徹甲砲塔のターレット部分に新型空間魚雷が集中して叩き込まれると、被弾した個所の装甲が剥離されるどころか内部奥深くにまで被害が到達。火焔直撃砲のエネルギーを主砲に転用するための伝導管にまで及んだ結果として、大爆発を引き起こす。
追い打ちとばかりに〈ゆうなぎ〉が主砲を斉射したことで、目標のメダルーサ級は完全に沈んでいった。爆発と炎が包まれたメダルーサ級に全速で突っ込むと、振動が伝わってくる。乗組員一同は肝を冷やした。
「くっ…!」
古代は、艦橋の外の爆煙から視線を逸らさない。爆煙が引くと、なおも連合艦隊とガトランティス艦隊の砲撃を交わす光景が確認出来る。
「ブリリアンス軍の部隊、メダルーサ級を沈めることに成功」
古代を含めた連合艦隊将兵にとって、それは吉報だ。残りのメダルーサ級は1隻だけ。これを沈めれば、戦況は一気に優勢となる。ガトランティス艦隊の艦艇数は200隻を下回ろうとしており、対する連合艦隊の大半が健在だ。第八浮遊大陸基地側まで押し込もうと、連合艦隊は進撃する。
「こんなことを…っ」
その光景を静かに見つめる古代は、思わず口から呟きが漏れる。それは、呻きだった。俺は、こんなところで何をしているんだ。なんで、こんなことを…。
「古代艦長!」
オペレーターの大きな声が、古代を我に返らせた。
「敵艦隊が後退し、浮遊大
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