第42話「第八浮遊大陸攻防、開始」
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理由は、ガミラスからの情報提供と捕虜の尋問で得たからだ。
しかし、よりによって、メダルーサ級殲滅型戦艦が投入されているとは。戦術ドロイドは思う。宇宙戦艦ヤマトの戦闘記録からしても、転送システムを応用したアウトレンジ砲撃―――火焔直撃砲は面倒極まりない兵器だ。ましてやアクラメータ級を一撃で沈めたのだから、ブリリアンスにとっても脅威だ。それが3隻も同宙域に存在するとなると、厄介なことこの上ない。
しかし、だ。それは心配無用だろう。
《ガミラス臣民の盾》を艦首前方に展開装備している、改ゼルグート級装甲突入型があるのだから。元々ゼルグート級という艦種自体が重装甲ではあるが、特筆すべきは《ガミラス臣民の盾》だ。
一見すると、ただ艦隊を守る盾の物。それは正しい。しかし、そんなチャチなレベルではない。
《ガミラス臣民の盾》の持つ各種効果については、だ。一つ目が、単純かつ強力な防御性能で「耐える」という一点にかなり絞るものの、実質的な改ゼルグート級専用の対火焔直撃砲装甲として機能。2つ目が、転送や如何なる次元跳躍をも不可能にする空間撹乱能力。
つまり、だ。
この《ガミラス臣民の盾》があれば、転送システムを応用したアウトレンジ砲撃は使用出来ない。その証拠に、だ。アウトレンジ砲撃は無く、艦隊による奇襲も無い。《ガミラス臣民の盾》が、正常に機能している証明だ。
《ガミラス臣民の盾》があるだけで、連合艦隊は優位となっている。とはいえ、だ。火焔直撃砲を装備するメダルーサ級は未だ健在。アウトレンジ砲撃で出来なくとも、通常射程に入り次第、ガトランティスは火焔直撃砲を使用するだろう。
思考の最中、キャプテン・シートに座る戦術ドロイドにバトルドロイドが報告した。
「全メダルーサ級、火炎直撃砲ヲ発射」
報告された直後だった。火炎直撃砲の砲口に眩い紅蓮の輝きが白光に変わったかと思えば、巨大な火焔流と多数のプロミネンス状のエネルギー弾を撃ち放つ。
「改ゼルグート級装甲突入型〈ケルベロスT〉、同〈ケルベロスV〉、同〈ケルベロスW〉に着弾」
装甲突入型ではないゼルグート級であれば一撃で轟沈し、改ゼルグート級であれば”防御出来るかもしれない”だが、この装甲突入型は違った。
「《ガミラス臣民の盾》に、損傷ハアリマセン」
「受ケ止メタゾ、凄イゾー!」
「踊ロウトスルナ馬鹿者!此処ハ戦場ダゾ!集中シロ!」
「スミマセン…」
《ガミラス臣民の盾》は破れるどころか、傷すら無かった。穿つことが出来ないその漆黒の盾に、ガトランティスの将兵は驚愕するだろうと、戦術ドロイドはそう分析した時、艦隊が射程圏内に入ったと報告を受ける。
戦術ドロイドは、即座に命令を下した。
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