宇宙戦艦ヤマト2202
第40話「”彼女”は祈る」
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間で、生命の鼓動のような脈打っている筈だ。
だが、この宇宙に存在する知的生命体―――ヒューマノイドは、私を自らと同じ人として見ている。
―――お、おぉ…!
―――なんと…!
―――これは…!
テレサが顕現する。臣下達が動揺する声が、王座の間を満たす。
―――祈りを捧げる聖女のような…あれが、テレサか。
動揺が少なく比較的冷静な《白銀の巫女》の言葉を聞くや、重臣達は落ち着きを取り戻す。そんな時だ。特徴的なバイザーを顔の上半分に装着している老齢の男が、解説するかのような口調で口を開いた。
―――いわば、この世界に落ちた影。テレサそのものが、この次元に出現した訳ではありませぬ。しかし、テレサそのものを引き摺り出すことが出来れば、その時は…。
続けようとした彼に、ズォーダーは大義そうに手で制した。ズォーダーだけが、動揺も恐怖も無い。笑みを浮かべ、口元を歪めていた。
―――ならば引き摺り出してやろう。大いなる愛を実現する為に。
彼は、玉座に座った。
その様子を視ていたテレサは思う。
星巡る方舟を遺し、宇宙中に自らの遺伝子情報を”種”として送り出した―――アケーリアス文明。彼らは何処からか来て、何処かへと去った。
アケーリアスの子である播かれた種は育ち、花開き、そして朽ちていった。
《救済》の名のもとに統べたイスカンダルが及ぼした影響力は宇宙の覇権を握ったも同然だったが、今となっては遠い過去のものとなり、イスカンダルは本星に籠もっている。
籠もって以降は、治安を管理し制御する勢力均衡を目的とした”彼ら”―――〇〇〇〇がこの宇宙に多大な影響力を持っている。元々〇〇〇〇はイスカンダルと同等の影響力を持っていたが、イスカンダルが籠もって以降はその影響力を更に高めた。
ガトランティス帝国大帝、ズォーダーは今後の宇宙にとって脅威。殺戮、破壊、消滅……全ては定められたこと。”彼ら”―――〇〇〇〇も分かっている。
けれど、それだけではない。
テレサは視たのだ。故に、遠い星の戦士達へ伝えなくてはならない。彼女は、祈り続けるのだった。
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