暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
第37話「来訪」
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始めよう」

 ……
 …

 ―――地球。

 そして、2週間が経過した。

 「重力波を確認しました!…これは、ワープアウト反応です!」

 遂に、この時が…。
 ワープアウト反応が確認された直後、ブリリアンスの外交団艦隊は現れた。

 20隻のアクラメータ級改 戦闘航宙艦が、周囲に重力波と輝く青色の粒子を撒き散らしながら出現する。主を守るよう展開しているのだ。

 地球連邦は中央に佇むブリリアンス外交団旗艦―――白銀の戦艦を注視した。美麗なフォルムを持つ外交団旗艦に、将兵と要人はあまりの美しさに魅了されてしまい、思わず感嘆の息を漏らした。

 全長1000mを超えるその艦艇は流線形の形状を持ち、艦種部分は剣のような鋭さを持つ。船体後部は白鳥の翼を思わせる推進機群と最新にして一対の試作機関―――ハイブリッド式重力ブリリアンス・ドライブが装備され、艦尾部上面には1基の重力ブリリアンス・ドライブ、逆三角形を構成するように搭載されている。艦橋は後部船体下面の最前部にある全面ガラス張りの風防状構造物内部にゴンドラ式に釣り下げられており、地球は知らないが、ワープや戦闘の際には艦橋のみ上昇し内部に収納される。

 船首部分に金色の紋章があしらわれいる白銀の戦艦は、ブリリアンスではこう呼ばれている。―――ブリュンヒルト級一番艦〈ブリュンヒルト〉、と。

 ブリュンヒルト級一番艦〈ブリュンヒルト〉は、燦然と輝いていた。


 ―――ブリリアンス外交団旗艦〈ブリュンヒルト〉。

 「ああっ…ああっ…!…なんてことだ、涙が止まらん」

 「ハンカチをどうぞ、ギルド長閣下」

 「ありがとう」

 懐かしき青い星、地球!あぁ、なんて綺麗なんだ。

 かつて地球にいた頃は、宇宙からその姿を見る事になるとは思ってもみなかった。地球の姿は、写真やテレビで見るよりもずっと綺麗だ。

 さて、地球よ。
 実に何年ぶりかな、77年ぶりだったかな。

 「ただいま」

 地球よ、私は帰ってきた。艦隊による歓迎、心より嬉しいよ。あ、また涙が…。心が踊るスヴェートであった。
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