暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
第36話「地球にメッセージを」
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
当時は極東管区の行政長官―――藤堂平九郎を始め、多くの者はメーセージを信じるほうに傾いた。

 メッセージに信憑性があると確信した極東管区は、『イズモ計画』を凍結。芹沢虎徹は年甲斐もなく泣いた。地球再生に望みを掛ける『ヤマト計画』を発動。責任者として当時は国連宇宙局幕僚監部・作戦部九課に所属していた真田志郎を任命。

 メッセージには地球の科学水準を遥かに超える次元波動理論に基づく推進機関の設計図も含まれており、真田はその設計図を解析し苦難の末に次元波動機関を1年で完成させる。この機関を『イズモ計画』で準備していた脱出用宇宙船に搭載し、宇宙戦艦ヤマトが誕生した。

 残るは、次元波動機関を起動する最後の部品―――【波動コア】。これはイスカンダルにしか作ることが出来ない代物で、使者が届けてくれることになっていた。

 しかし、メッセージを受け取ってから1年の間、戦局は更に悪化。太陽系の殆どはガミラスの制宙下。状況が状況だ。敵の偵察網を潜り抜けてイスカンダルの使者が無事到着する可能性は、かなり低いという予測が国連宇宙局幕僚監部から報告。

 そこで幕僚監部はイスカンダルの使者を受け入れる為の方策として、国連宇宙軍の第1艦隊と各国艦隊は全力を以って陽動作戦『メ号作戦』を展開、その隙を突いて火星にて会合を行う作戦を立案。

 『メ号作戦』は成功し波動コアを獲得、宇宙戦艦ヤマトの内奥に宿す波動機関の起動に成功。しかしそれは、甚大な被害と引き換えであることを忘れてはならない。

 最後の希望と呼ばれる宇宙戦艦ヤマトが完成したと同時に、人類滅亡は1年後に迫る。
 
 16万8000光年の彼方―――大マゼラン銀河に位置するイスカンダルより、汚染された地球を浄化するシステム―――【コスモリバースシステム】を受け取り、1年以内に地球に戻る。それが、宇宙戦艦ヤマトに課せられた使命。

 こうして、大きな使命と希望を背負った宇宙戦艦ヤマトは旅立ったのだ。

 まぁ、つまりだ。

 こうしていられるのも、宇宙戦艦ヤマトが帰還し地球は救われたからだ。ガミラスという脅威は無くなり、そのガミラスと同盟を結んだ。

 これまた驚いた事に、ガミラスは蒼い肌をしている以外、人類と姿形が同じなのだ。更に、だ。宇宙はヒューマノイドで満たされている為、映画でよく観るような存在はいないという。

 やはり、宇宙は広いな。

 「―――先輩、テレーゼ先輩!」

 回想していたところ、後輩から声を掛けられた。あぁ、そうそう、今更ながら、私の名前はテレーゼ・ドルクマス。彼氏募集中だ。

 そして、前世の記憶を持った転生者でもある。他人に言ったら「大丈夫?」と優しい瞳を向けられること間違いなし。したがって、これは家族にも打ち明けていない秘密だ。それ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ