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現実世界は理不尽に満ちている!
第36話「地球にメッセージを」
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ぶことが出来ず、交戦状態に陥った。国連宇宙海軍と各国艦隊によって編成された連合艦隊は反撃を試みたが、地球を容易に上回る機関と光学兵装を持つガミラスに到底歯が立たなかった。

 2193年、地球の絶対防衛線である火星宙域での反攻作戦により、一時的にガミラス艦隊を押し返すことに成功。しかしその勝利は、敵の戦術を転換せしめたに過ぎなかった。

 まだ人類が進出していなかった太陽系最果ての準惑星―――冥王星へ進駐したガミラスはテラフォーミングで環境を改造、恒久的に使用可能な前線基地を建設。流星爆弾によるロングレンジ爆撃を、継続的に行うようになる。

 流星爆弾は冥王星周辺に遊弋する小惑星を【反射衛星砲】のエネルギーによって加速させ、隕石となって地球へ落下させるガミラス独自の兵器。火星沖で戦力の半分以上を失った地球には、防ぐ術は無かったのだ。ただ、見ていることしか出来ないでいた。

 地殻変動や火山の噴火、地震、大地は干上がり大気汚染などを誘発。陸空海その全てにおいて、人類を除く生命は死に絶えた。
 除く人類もまた、総人口の三分の二が死亡。加えて、ガミラスの生物の種子や菌が大気中に四散し、発芽した植物からは地球生物にとって毒となる成分が放出された。地球環境は、激変させられたのだ。

 人類は地下都市を建設、そこへ避難し暮らすことが余儀なくされた。国際連合の相互交通は分断され、地下ケーブルによる通信とエネルギー共有しか行えなくなった。

 各エリアは自給自足の道を模索し、懸命に生存の道を探っている中だ。このままでは人類の滅亡は時間の問題だと考えた極東管区は『イズモ計画』を立案、脱出用大型宇宙船の建造が極秘裏に進行。

 『イズモ計画』は移住可能な惑星を探査するというものだが、その実は優秀な遺伝子を持った―――選ばれた者のみが脱出するというのもの。

 この計画に、希望を求めていた人類は怒った。当然というべきだろう。
 食糧が配給制となり、エネルギー不足による断続的な停電や正体不明の病気が流行するような情勢の最中、「地球滅亡するのも時間の問題だから、脱出するね♪」という真相が漏れ、政府に対するデモや暴動、テロが頻発し、人類は自滅する危機にも直面。

 しかし西暦2198年を迎えようとした時、人類に転機が訪れた。ガミラスとは異なる知的生命体―――【イスカンダル】からのメッセージが金髪の美少女と共に届けられた。イスカンダルの使者は、地球人と同じ容姿だったのだ、何だか神々しい肌をしていた。

 メッセージは「地球再生システムを供与する」という申し出であり、このシステムを受け取りに来るようにとあった。ガミラスの欺瞞工作ではと極東管区軍務局長―――芹沢虎徹を始めとする疑う声もあったが、それは考えにくかった。戦局は、ガミラスが有利だからだ。
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