第32話「私が何をしたというんだ!」
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占拠すれば、静謐の星は大帝のものとなる。そう考えたのだが、この命令が混乱を生むことになるとは、冷静さを欠いたダガームは気づかなかった。
「し、しかし、味方の艦隊はどうなさるのです!」
臨時副長となった男が驚愕する。艦隊はどうするのか。まさか、置き去りにする訳ではあるまい。それに、だ。旗艦自ら静謐の星の中枢を占拠するならば、指揮系統はどうなる…。
「本艦が占拠するまで、その場に踏み留まればよい!」
「何ですと!?」
臨時副長は絶句した。
なにせ旗艦がその場を離れるのは、指揮権も放り投げてしまったのであるから当然だ。ましてや、明確な次席指揮官を任命していない。これは、このガトランティス艦隊にとって致命的だ。
「機関、最大!星の中枢を占拠する!」
そんなことは知ったことではない。旗艦〈メガルーダ〉は全速を以って、戦場から離脱する。目指すは、シャンブロウだ。
旗艦を失ったガトランティス本隊の残存艦艇は、半ば棒立ちになったのだった。
―――ブリリアンス艦隊旗艦アクラメータ級改〈スラクル〉。
「敵旗艦、離脱シテ行キマス。コース、惑星ヘノ降下軌道」
スヴェートは戦況を見渡す。戦況は、連合艦隊が優勢だ。〈ヤマト〉の被害は依然と無い。ブリリアンス艦隊は半数の艦を失い、本艦を含め10隻。ガミラス艦隊は14隻の内の5隻を失い、残りは9隻となった。
しかし、だ。
無傷の艦は〈ヤマト〉を含め2隻と少なく、大なり小なり損傷を受けていた。本艦〈スラクル〉だけは無傷のままだが、無傷なのは今だけだ。火焔直撃砲により、フィールドを消失したのだ。このまま無傷である保証は当然ながら無い。
「敵旗艦を取り逃がしたのは、痛恨のミスだったな」
敵旗艦〈メガルーダ〉は戦場を離脱し、全速で以ってシャンブロウへと向かった。これを追いかけようにも、ブリリアンス艦隊では追いつくのが難しい。
その時だ。B1バトルドロイドから報告がやってくる。
「〈ヤマト〉ヨリ入電デス」
報告を受けたスヴェートは、そのB1バトルドロイドに振り向いた。
「メインスクリーンに出せ」
「ラジャー、ラジャー」
報告したB1バトルドロイドはコンソールを操作し、通信を受けいれた。スヴェートは、メインスクリーンへと顔を向ける。
ノイズが走るや、1人の男がメインスクリーンに映し出された。古代だ。彼は簡易宇宙服の役割も持つ軍服の上に、ジャケットを羽織っていた。
古代は口を開く。内容が語られる。
惑星表面で座礁し身動き取れないガミラス空母〈ランベア〉を救助する為、〈ヤマト〉は戦場から離れる。
『―――同時に、我々は敵旗艦を追撃する。戦場に関してだが、
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