第31話「ふふっ、無駄だ」
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文明からの攻撃を防御するだけでなく、宇宙ゴミや流星塵、高エネルギーを帯びた放射線など、宇宙での日常的な自然現象から身も守る為にも必要な装備となる。
それが何故、シールドを装備してないのか。率直ではあるが、スヴェートは疑問だった。対ビームコーティングを施している可能性は高いが、施されていたとしても、スヴェートからするとシールドを装備したほうがよろしいのではと思える。
「ガミラス駆逐艦1隻、撃沈」
だってほら、輪胴砲塔から放たれた輝く緑色のビームがガミラス駆逐艦の左舷を容易く撃ち抜いたのだ。…撃沈されてしまった。
そういえばガトランティスもシールドを装備していないようだ。
シールドを標準装備してない勢力、記憶しておこう。
「それにしてもアクラメータ級は……はぁ」
ガミラスとガトランティスがシールドを装備してない件について片付いたスヴェートは、アクラメータ級を見るや溜息を吐いた。
彼女がアクラメータ級を見て溜息を吐いた理由は、だ。
アクラメータ級はそれほどの精度を持っておらず、ガトランティス艦にあまり命中しない。砲塔の向きを変えるにも、他戦闘艦と比較すると一番に時間が掛かるのだ。
その問題を解決したのが、スヴェートが座乗するアクラメータ級改。精度も問題なく、砲塔の向きを変える時間は短縮され、攻撃の面で頼りになった。
「まぁアクラメータ級は改型ほどではないが、防御だけは頼りになる」
敵旗艦の前には紙も同然だが、と付け加えたスヴェート。彼女が敵主力ことガトランティス艦隊を再び見ようとした時、B1バトルドロイドから報告が上がる。
「重力変動ヲ感知。方位〇〇〇、連合艦隊ノ左翼に来マス」
スヴェートは敵旗艦を見つめた。敵旗艦の双胴艦首からはリング状のウェーブが生まれ、その下部には恒星を彷彿させるように輝くエネルギーがあった。輝きを重ねたそのエネルギーは遂に発射され、作り出したウェーブの内にスッと消えた。
重力変動を感知した左翼部隊は、回避行動に移行する。ゲルバデス級〈ニルバレス〉率いる部隊とアクラメータ級率いる部隊だ。
次の瞬間、空間の一画に時空の波紋が生まれた。波紋が中心に集中したかと思えば、その歪みから火焔直撃砲の巨大なエネルギー流が飛び出した。
ゲルバデス級〈ニルバレス〉部隊は何とか回避出来たが、残念ながらアクラメータ級は命中してしまう。
「アクラメータ級が!」
展開していたシールドは紙のようにあっさりと突破され、エネルギー流は装甲を貫通し内部を食い破っていった。アクラメータ級は大穴を形成し、側面には火ぶくれのような爆発跡が内部から出現し、艦後部へと伸びていく。真っ赤な爆発跡が次々と艦尾まで達するとエンジンノズルが吹き
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