暁 〜小説投稿サイト〜
現実世界は理不尽に満ちている!
第30話
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勢いよく振り下ろした。サーベラーの姿は消え、投影する装置から小さな煙が上がる。

 「ヒッ…!?お、お許しを!…あ」

 ダガームの怒りは収まらない。大剣を握り直すや、狼狽するメイスの首を切り落とした。メイスは痛みを発することなく、最期は床へと落ちていく目で自分の身体を見た。

 「…メイスめ、余計な事を」

 邪魔なものを始末し、もはや彼を制止する者はない。艦橋にいる兵士達は、怯えながらも己の仕事に従事し続けた。

 「大都督、間もなく前衛艦隊が砲撃可能距離に入ります!」

 「30秒後、我が本隊も砲撃可能距離に入ります」

 オペレーターの声に、ダガームは視線を戦場へと戻す。最早サーベラーはどうでもよい。連合艦隊を叩き潰し、静謐の星を大帝に献上するのだ。

 ダガーム自身、この任務に失敗すれば処断されるのは理解し、丞相サーベラーを喜ばすだけに終わることも理解していた。だからこそ、この任務は成功させねばならない。偉大なる大帝陛下と、己の威信にかけて。

 目前に迫る敵を屠ることに専念し、ダガームは艦隊決戦に挑む。

 「パラカス隊を合流させ、敵連合艦隊の側面から仕掛けさせよ。前衛艦隊は左右に展開しつつ攻撃。我ら本隊は正面より〈ヤマッテ〉とガミロンの青虫共、そして未確認艦隊の首を取る!」

 ダガームは大剣を正面に差し出すように構えるや、声高に言い放つ。

 「討ち取れぇい、功名を挙げよ!」

 『ヴァラアアアアアアー!!』

 連合艦隊とガトランティス艦隊との決戦の火蓋が、遂に落とされたのだった。
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