第28話
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ら先程見た巨大なエネルギーが飛び出した。
「不発ならどんなによかったことか…」
「この目で観なければ、ワープするエネルギー流を我々は信じなかったことでしょう」
巨大なエネルギー流は、〈ヤマト〉の上を航行するアクラメータ級に命中する。
「アクラメータ級のシールドが破られた!?」
「量産型機関を内奥に宿しているアクラメータ級ですが、それでも次世代型の筈です。ですが、どうやらあの兵器の前には紙シールドのようです」
「紙シールド…」
「悲しいことに、これが現実です」
このアクラメータ級はシールドを展開していたのにも関わらず、紙のようにあっさりと突破され、エネルギー流は装甲を貫通し内部を食い破っていった。
アクラメータ級の正面には大穴が形成され、側面には火ぶくれのような爆発跡が内部から出現し、艦後部へと伸びていく。真っ赤な爆発跡が次々と艦尾まで達するとエンジンノズルが吹き飛び、そこから残存エネルギーが飛び出した。
次の瞬間、アクラメータ級は爆発を引き起こしながら轟沈した。
「…oh」
スヴェートは口元を引き攣らした。ヤバい、ヤバ過ぎる。一方的だ。回避しようにも、あの兵器の前には回避しようがない。あの兵器の前には、シールドは紙だ紙。オリジナル機関が作り出すブリリアンス・フィールドであれば耐えられる”かも”だが、自信を持てない。どうしろと…。
スヴェートが頭を悩ませていた時、〈ヤマト〉から通信が入っている事が報告される。デフォルトであるクールな顔つきとなった彼女は口を開いた。
「通信回線を開け」
〈ヤマト〉であれば、何か打開案があるかもしれない。スヴェートが通信回線を承諾したのは、その為だった。一番は、地球だから断る訳ないさ的な面が強かった。
ノイズが走るや、1人の男がメインスクリーンに映し出された。古代だ。彼は簡易宇宙服の役割も持つ軍服の上に、ジャケットを羽織っていた。
『こちら〈ヤマト〉。敵の攻撃予測データを送る。全艦リンクして、攻撃に対処されたし』
古代が言うには、だ。攻撃予測データなるものは73%の確率でアウトレンジ攻撃を予測可能で、それを頼りに回避するとのことだ。とはいえ残りの27%という確率で、例の兵器で直撃されてしまう。
「感謝する」
古代が消え、通信が切れるのを見届けたスヴェート。
攻撃予測データにより回避出来る確率が、七割もあるのだ。スヴェートからすれば、それで充分だった。彼女は〈ヤマト〉が解析した攻撃予測データを、全艦にリンクするよう指示を出したのだった。
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