第28話
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り遥かに高い熱を帯びているらしく、近くを航行していただけでにも関わらず【ケルカピア級】の上部構造物が発火し始めていた。
スクリューしていた小型の火山弾が、【ケルカピア級】の胴体中央部に命中する。かなりの質量を持っていたのか、命中した【ケルカピア級】は「く」の字に曲がった直後に跡形も無く消し飛ぶ。
更に、だ。
エネルギー流の横を航行していた2隻のブリリアンス艦―――ボレアス級TEミサイル駆逐艦U型とAC721重量級支援駆逐艦U型も、同じ目にあった。
突如として現れたエネルギー流は連合艦隊を突き抜けて、惑星シャンブロウに着弾した。
「全艦、シールドを展開。本艦はブリリアンス・フィールドを展開せよ」
突如として現れたエネルギー流に対し、落ち着きを取り戻したスヴェートは即座に対応する姿勢を見せるた。
「いったい、どこから攻撃を。電探、発砲位置を特定しろ」
電探担当のオペレーターは、レーダーの記録をレコーダーで遡って確認していく。
「ア〜、敵ノ弾道ヲ解析出来マセン。突然ト空間に出現シタトシカ」
「突然と、か」
スヴェートは考える。アウトレンジ攻撃が可能な兵器を保有しているのは分かっていたつもりだが、まさかこれ程だったとは予想外だった。この攻撃はおそらく敵旗艦からの…いや、断定的に敵旗艦からだろう。
先の攻撃はおそらく直線的で、ワープの一種だと考えるべきだ。敵旗艦の砲撃開始時点からエネルギー流の出現ポイントまで直線で結ばれたのだろう。
「予想外でしたね」
そう短く呟いた艦長代理だったが、彼女も同じ事を考えていたようだ。付け加えるならば、何故予兆はおろか高熱源反応すら観測出来なかったのか、強く疑問だった。
「前方、射程圏外に艦影ヲ確認。敵ガトランティス艦隊デス」
レーダースクリーンに反応が現れるや、メインスクリーンには最大望遠で映し出された敵主力艦隊。それを見つめるスヴェートは、敵旗艦を見つけた。
「敵旗艦ヨリ高エネルギー反応ヲ確認」
「全艦、シールドを最大出力。本艦のブリリアンス・フィールドもだ」
スヴェートは睨みつける。見せてみろ、と言わんばかりの目つきだ。
敵旗艦の双胴艦首からはリング状のウェーブが生まれ、その下部には恒星を彷彿させるように輝くエネルギーがあった。輝きを重ねたそのエネルギーは遂に発射……された筈なのだが、向かってくる気配が無い。
「不発、か?」
「そう願いたいものですね」
スヴェートは顔を艦長代理に向けつつ、スクリーンを観ていた時だ。
「〈ヤマト〉上方に、重力変動ヲ感知」
次の瞬間、空間の一画に時空の波紋が生まれた。波紋が中心に集中したかと思えば、その歪みか
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