第26話
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「そう、一週間」
「……なんと」
艦長代理は驚いた。戦艦大和があるのも驚いたし、その内部にホテルがあったのも驚いた。だが一番は、時間だ。いったい、どいうことなのだろうか。考えてみるが、答えが出ない。分からないが、事実としてギルド長スヴェートは一週間、閉じ込められた。
「シャンブロウは、アケーリアスに造られた惑星。何ら不思議ではないのだろう。竜宮城で過ごした浦島太郎みたいなものだ」
「不思議なものですね」
何であれ、流れていた時間が違うと艦長代理は理解した。
「シャンブロウでの出来事は後で詳しく話す。それより、現在の状況は?」
スヴェートは問うた。真面目な表情で。
艦長代理は姿勢を正し、スクリーンを起動した。スクリーンに展開されている情報を観つつ、艦長代理は報告する。
「未確認勢力の艦隊が、惑星軌道上に包囲網を敷いてます。陣形などは不明。現在は未知の兵器によるアウトレンジ攻撃を行っており、通常兵器ではないのは間違いありません。発射位置は判明しておりません」
最後に、艦載機を持っているか不明、と付け加えた。彼女はスヴェートの瞳を見つめる。スヴェートは真剣な目つきで観ていた。
「ガトランティスだ」
「ガトランティス?」
ガトランティスとはいったい、と思っていた艦長代理だったが、未確認勢力の正体がガトランティスであるとスヴェートより告げられた。未確認勢力がガトランティス、後で情報を訂正しなくては。
艦長代理は改めて我が艦隊戦力を確認する。
20隻からなる艦隊で、重粒子砲とシールドを標準装備。護送艦をAC721重量級両用突撃艦U型に搭載。その内の〈スラクル〉を含むアクラメータ級には、ドロイド・スターファイターを多数搭載している。艦が損傷した場合でも、ガーディアン級支援駆逐艦により補修。
戦隊規模の艦隊ではあるが、それでも戦力として充分。
しかし、だ。
敵ガトランティス艦隊は3倍以上もの戦力を有し、更にはアウトレンジ攻撃が可能な艦を有するのだ。包囲を突破するのは難しい。
ワープで逃げたとしても、ワープの痕跡を辿って追いかけてくるのも考えられるだろう。
ふむ、と思考を続けようとした時、スヴェートから声を掛けられた。思考を呼んでいたかのように、スヴェートは口を開いた。
「勝算はある」
「勝算がある、ですか」
スヴェートの顔は、思いつきで言った訳ではないようだ。彼女は、オッドアイの瞳を輝かせながら続ける。
「このシャンブロウには、2つの勢力が存在する。彼らと共闘すれば、生き残る可能性は高いだろう」
「2つの勢力を信じれと?」
「大丈夫だ、問題ない」
スヴェートは
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