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現実世界は理不尽に満ちている!
第25話後半「白銀の守護者」
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?」新見が問う。

 「故郷滅亡に際し、一握りの者は巡礼の為この地にあって滅びを免れた」

 なるほど、スヴェートは簡単に纏めた。
 滅亡された種族とされたジレル人は滅亡しておらず、長い年月の間この次元の狭間で隠れていた。惑星そのものを通常空間から亜空間へと収納する事で、通常空間から隔離していた。

 そういった事が可能な代物を、私は知っている。
 WOSを長年プレイしている最上位プレイヤーでさえ、重課金しなければ手に入らない代物―――最上位に位置する伝説級の【空間遮蔽装置】と同類なのだろうか?

 なんであれ、だ。…アケ―リアス凄い。スヴェートは畏敬の念を抱いた。ロマンだよなと思いながら。

 「なるほど〜」

 そういえば先程から桐生は何をしているのだろうか。柱や周囲に書かれた文字―――碑文を呼んでいるようだが、それは簡単に読めるものなのだろうか。もしや桐生、言語学者の卵だったりするのか?スヴェートはそう思った。…何故か翻訳機を無しに聞こえるし文字が分かる。…私は転移より異常だ!

 「そんなまさか……貴女は読めるのですか!?」

 レーレライは驚いた。長く暮らしていた私でさえ預かり知らぬ、といった顔をしている。桐生凄いなぁ、とスヴェートは思った。翻訳機も無しに言葉を理解出来たり読めたり、70代であるのに美女のままな私は異常者である。

 レーレライに、桐生はキョトンっとした顔で応えた。

 「古代アケ―リアス語ですよね。ガミラスから貰ったデータに入っていました。翻訳機を作成する時に全て覚えましたから、大体の事は分かります」
 
 桐生は答えながら周囲を見回した。何か探しているらしい。やがて探していたものであろう、透明なコンソールパネルの前に立つ。六角形のそれは、静かな光を放っていた。

 「これかぁ」

 桐生は手をかざす。手をかざすや、パネルに古代アケ―リアス語の複雑な記号が表示された。操作していく桐生。すると、コンソールの一部がすぅぅと下へ下がった。何か別の動力が起動し、機械音は次第に高まっていく。フロアに存在した白骨化ガトランティス兵は瞬時に消え失せ、キラキラと光る粒子に包まれ始まる。

 綺麗だ、とスヴェートは感動した。
 中心に立つ桐生も包まれたが、まぁ大丈夫だろう。取り憑かれたかのように喋る桐生。…大丈夫な、筈だ。

 「銀河に播かれた種……数多の種族、この地に集いて7日後、心を1つと成せ」

 この現象にレーレライは驚愕し、そして絶句していた。
 大丈夫だぞ、レーレライ。お前だけではない。それにしても、銀河に播かれた種とは、いったい…?スヴェートは疑問に思った。

 コンソールは光り輝き、桐生の周りに光りの輪が1つ広がった。巫女の語り手のように、桐生は続ける。

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