第25話後半「白銀の守護者」
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「…ん?」
スヴェートは違和感を覚え、目を開けた。津波に飲み込まれ、遺憾ながらそのまま死ぬと確信していた。それがどうだ、何故エントランスに立っているんだ?私だけがエントランスに居る訳ではない。周囲には古代、新見、沢村、桐生、バーガー、メルヒも居る。確かに飲み込まれた筈なのだが、全員がエントランスに戻っていた。
魔法が解けるかのように服装がそれぞれの軍服へと戻り、装備も元通りとなっていた。
「〈コウノトリ〉との通信が回復しました!」
相原とバーレンがエントランスに走り込んで来た直後、2人も軍服と装備が元通りとなった。元通りとなっていることに、驚きの声を上げる相原とバーレン。
「スヴェート、お前…」
バーガーがコチラに顔を向け、驚きの色を隠せずにいた。彼の視線の先は、スヴェートの肌だった。
「ガミラス人じゃ、ないのか」
その視線を受けたスヴェートは淡々とした口調で告げた。
「ガミラス人とは一言も言っていない。肌を見れば分かるだろう。まぁ、何故か蒼い肌だと認識されていたようだが」
バーガー含めた一同は、スヴェートが自分達とは違う第三勢力であると認識した瞬間だった。
彼女はちょっとだけ寂しかった。古代達に「君も地球人なのか?!」ともしも問われた際、カッコいいセリフを言いたかったのだ。なんか第三勢力と認識されているようだが、これはこれで嬉しい。いつか「実は地球人なのだよ」と明かしたいものだ。
…まぁ、実際に第三勢力のようなものなのだが。
そう考えていた時だった。彼女は気づく。エントランスが本来の姿を取り戻しつつあることを。彼女だけではない、この場に集う全員がその変化に気づいた。
「なんじゃ、あれは…!?」
バーレンが驚きの声を上げる。エントランスが本来の姿へと戻ったことではない。本来の姿へと戻ったエントランスの一角を見つめた為だった。
メルヒはバーレンが見つめていた”何か”へ駆け寄った。”何か”は人で、複数存在し、誰もが倒れていた。倒れている彼らは、ヘルメットを被り軍服を着用していた。
「コ、コイツラっ、ガトランティスです…っ!」
ガトランティス?
スヴェートは首を傾げた。初めて知る勢力だ。何故か古代達とバーガー達はガトランティスとやらへ、警戒心の中に敵意を向けているようだが、ガトランティスとは敵対関係にあるのだろうか。…それにしても、だ。…コイツラ、死んでやがる!それも白骨化!地獄の様相を呈している光景に、声高に叫びたい気持ちでいっぱいだ!
「君がやったのか?」
「お前がやったのか?」
被った、言葉が被った。スヴェートはそう思っていたが、彼女のその言葉には「私も殺すのか!」が含まれていた。殺す
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