第25話前半「白銀の守護者」
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・ピストルを素早く抜き取り、銃口をネレディアに向けた。
「先程からギャーギャーとうるさいな。誰だお前は」
全員の視線がネレディアに集められる。
スヴェートのその行動に、この場に居る者達は絶句したが、バーガーだけは絶句しなかった。
「な、何を…わ、私はネレディアよ!」
子供でも分かる程、顔に焦りの色が露わとなっているネレディア。嘘つけ、とスヴェートは毒ついた。
「ネレディアの姿をした偽物だろうが。茶番はもう充分。覚悟するんだな」
「スヴェート…。バ、バーガー、助けて!」
ネレディアはバーガーに助けを求める。助けてくれると確信しているようだ。
あ、それはマズイ。スヴェートは続けて発せられるであろう言葉を遮り、バーガーに顔を向けた。
「バーガー、お前も気づいている筈。黒幕がコイツであることを」
あぁ、とバーガーは頷いた直後、銃口をネレディアに素早く向けた。それにスヴェートは内心にて安堵の息を吐いた。よかった。私は助かった。バーガーも気づいるだろう発言は、決めつけているだけなのは内緒である。
「バーガー、どうしちゃったの!」
焦りの色がより強くなる黒幕女。ネレディアと呼ぶのはもう止めだ。
バーガーは口を開いた。
「どうしちゃったの、じゃねぇんだよ。偽物が」
「な…!?」
バーガーは黒幕女のおでこの真ん中に照準を動かした。
「スヴェートと同じく、お前が黒幕なのは分かってたぜ」
えっ、と間抜けな声が漏れた。
スヴェートである。バーガー含め、誰も聞こえていないようだ。よかったよかった。
「決定的だったのは、桐生を見た時の反応だ。自分の妹と瓜二つの桐生を見ても反応しねぇ姉はいないからな」
えっ、と驚く声が桐生から発せられた。
私も驚きだ。自分と同じ容姿をした人間が世界に3人居ると言われていたが、まさか実在していたとは。
「それにな…」
バーガーは、ニヤリとした笑みを浮かべながら続けた。
「ネレディアは俺のことを、フォムトって呼ぶんだぜ」
「…フフっ」
小さく頷き、黒幕女は薄く笑った。
「どうも……記憶を読みそこねたようです」
黒幕女のその声は口を動かさず発せられた。ネレディアの声ではない、黒幕女自身の声だ。音で話していないということは、テレパシーの類で話しているのだろう。瞳は、白銀の瞳へと変貌していた。
黒幕女は、静かにジャングルのほうを見つめた。
「…招かれざる客が来ている」
その時、空の一角が溶鉱炉のように燃え上がり、地獄の釜が抜けるように真っ赤な炎がジャングルに降り注いだ。まるで天井から発生した融合爆発のよう。降り注いだ
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