第17話「初めまして、諸君」
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ェートはエレベーターが使えるか確認したが、やはりといった感じで使用出来ず、扉を開けることすら出来なかった。
その後、何階まであるのか見た彼女は声を上げる。
「11階まであるだと?」
スヴェートは不思議で、そして違和感を感じた。
天井の高さからして、11階まであるとは到底思えないからだ。
「…他も見よう」
エレベーター扉より離れたスヴェート。
微塵も人気はないホテルのロビーだが、カウンターにもフロアにもゴミ一つすら無いどころかホコリすら無く、廃墟という訳ではなかった。フロントにある呼び出しベルを鳴らせば、今にもスーツを着こなしたフロントマンが応対にやってきそうな雰囲気だ。
「…いや、これはどう見ても母なる地球のホテル」
スヴェートは頭を抱えたくなった。
いやだって、おかしいじゃないか。何故この星に地球のホテルがあるんだ。ましてや、このホテルは私が行った事があるホテルだ。
はぁ、と深い溜め息を吐きつつ頭を片手で抱えるスヴェート。このホテル、記憶と一致し過ぎている。展示台もそうだが、どうなっていることやら。
「スヴェート様」
端末を持ったBXコマンド・バトルドロイドが、スヴェートに小さくない声を上げた。
「何だ?」
スヴェートは頭を抱えるのを止め、声を掛けてきたBXコマンド・バトルドロイドに振り向いた。
「遭難シグナルガ消エマシタ」
「…は?」
何を馬鹿な、とスヴェートは駆け寄り、端末の画面を覗き込む。先程まで表示されていたであろうシグナルは、消えてしまっていた。
「どういうことだ?」
腕を組み、深刻な顔つきとなるスヴェート。
報告によれば、シグナルはロビーに入ってから弱まっていたようだが、シグナルが消えたのはつい先程との事。つまり、シグナルが意図的とも思えるタイミングで切れたということになる。
「…ん?」
ふと、思考の最中であったスヴェートは、自分に向けられている視線を感じた。彼女は振り向くがそこに人影はなく、長髪の女性が描かれた絵画が壁に掛けられているだけ。1体のBXコマンド・バトルドロイドがその絵画の隣に居た。
スヴェートは長髪の女性が描かれた絵画に近づいた。
間近で見てみると、長髪の女性は素晴らしい美貌の持ち主だ。女性は黒のドレスを着用し、白銀の髪を腰まで伸ばしていた。
視線はこの絵画から向けられたのか?
なんて、と馬鹿らしい事を考えてしまったなと思うスヴェートは笑みを浮かべる。そう、馬鹿らしいと思えば両開きの木製扉が消え、壁となり横3mある絵画がある………ん?
「いやいや、そんな馬鹿な」
スヴェートは瞼を閉じ、目を擦る。擦った後、彼女は瞼を開ける
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